イタリア、EUからの締め付けに苦しむ

2018年08月14日、イタリア北部のジェノバで橋が崩落した事件については読者の皆さんもご存じでしょう。この橋は高速道路として使われていたのですが、実はぼろぼろで、すでに耐用年数が尽きたと考えられていたものでした。地元の人は誰でも「いつ崩落が起きるか」とかねてより心配していたのです。この橋に限らず、イタリアでは重要な交通インフラで耐用年数が尽き、補修を行わなければならないものが多数あるとのことです。

しかし、イタリアはインフラ補修のための予算をかけられない状態に陥っています。普通の国なら臨時にでも建設国債を発行してそのための資金を確保するところなのですが、イタリアはEU加盟国。EUの予算規律に従わなければならないのです。EUでは加盟各国の借金(財政赤字)について、

1.単年度の財政赤字がGDP比3%以下
2.公的債務がGDPの60%以下

と定めています。これは1993年11月に発効した「マーストリヒト条約」(現在では「リスボン条約」)に定められたものですが、EU加盟各国に順守を求めており、イタリアもこれに縛られて自由に振る舞えません。問題はこのルールが赤字国債も建設国債も等しくなで切りに「悪いこと」としている点です。

EUは理念的には素晴らしいものかもしれませんが、各国の自由裁量を大幅に制限する面も持っておりイタリアはそれによって苦しめられているのです。このままEUによって自国のインフラ整備(補修含む)が制限され続ければ、イタリアで反EUの機運はさらに高まる可能性があります。

(柏ケミカル@dcp)

コメントを残す