2026年10月01日、韓国の産業通商資源部が「2026年09月の輸出入動向」を公表しました。
まず輸出入と貿易収支です。
2026年09月
輸出:1,209億4,400万ドル(+83.5%)
輸入:710億920万ドル(+26.0%)
貿易収支(輸出 – 輸入):498億5,200万ドル(+452.6%)2026年01~09月累計
輸出:8,145億3,200万ドル(+56.8%)
輸入:5,620億540万ドル(+19.7%)
貿易収支(輸出 – 輸入):2,524億,7800万ドル(+406.8%)
当月の輸出金額は、対前年同期比で「83.5%増」の1,209億4,400万ドル。無茶苦茶な急増です。輸入も「26.0%増」ですが、貿易黒字は「452.6%増」という異常な数字となっています。
01~09月累計で見ると、輸出は「8,145億3,200万ドル」。
韓国メディアでは「09月時点で8,000億ドルを突破した!」と大きく報道されています。
昨年、2025年の1年間での輸出金額が「7,093億3,100万ドル」、「7,000億ドル」でしたから、2026年は09月時点で昨年より1,000億ドルも増加しているのです。
この異常な数字を反映して、貿易収支の黒字は対前年同期比で「406.8%増」。つまりほぼ5倍になっています。
20大主力輸出品目の状況を見ると、以下のようになっています。ご注目ただきたいのは、半導体の異常な数字です。
順位 品目 2025年09月 金額 増減率 2026年07月 金額 増減率 2026年08月 金額 増減率 2026年09月 金額 増減率 1 半導体 16,621 +22.0% 41,007 +178.8% 46,653 +209.1% 60,295 +262.8% 2 自動車 6,404 +16.8% 6,222 +6.7% 3,851 −29.8% 6,052 −5.5% 3 一般機械 4,208 +10.5% 4,520 +5.7% 3,527 +1.8% 4,073 −3.2% 4 石油製品 4,200 +4.8% 6,082 +43.6% 6,851 +65.4% 7,224 +72.0% 5 石油化学 3,759 0.0% 4,211 +10.9% 3,878 +12.7% 3,953 +5.1% 6 船舶 2,893 +21.9% 3,290 +46.8% 1,692 −45.9% 3,757 +29.9% 7 鉄鋼製品 2,170 −1.8% 2,360 +4.3% 2,107 +7.9% 2,241 +3.3% 8 自動車部品 1,911 +6.0% 1,946 +1.9% 1,497 −9.9% 1,773 −7.2% 9 無線通信機器 1,737 −7.4% 1,812 +51.1% 1,884 +21.2% 2,144 +23.4% 10 ディスプレー 1,747 +0.9% 1,610 +2.4% 1,570 −4.7% 1,581 −9.5% 11 電気機器 1,480 +17.0% 1,719 +9.2% 1,500 +16.2% 1,826 +23.4% 12 バイオヘルス 1,692 +37.8% 1,568 +29.9% 1,410 +22.3% 1,547 −8.6% 13 非鉄金属 1,300 +17.0% 1,739 +24.7% 1,482 +24.2% 1,737 +33.6% 14 コンピューター 1,307 −13.6% 4,790 +404.2% 6,243 +419.5% 6,997 +435.3% 15 農水産食品 1,161 +20.9% 1,093 +2.2% 977 +1.5% 1,107 −4.7% 16 化粧品 1,147 +25.8% 1,348 +37.5% 1,311 +52.0% 1,506 +31.4% 17 繊維 943 +8.6% 932 +3.5% 751 +0.2% 879 −6.8% 18 生活用品 765 +13.0% 809 +12.9% 646 −3.4% 727 −5.0% 19 家電 686 +12.0% 602 −5.4% 522 −1.5% 596 −13.2% 20 二次電池 635 −8.8% 683 +17.2% 602 +24.0% 724 +14.0% 輸出総額 65,904 +12.6% 99,190 +63.3% 98,282 +68.7% 120,944 +83.5%
※データ出典は上掲URL『韓国 産業通商資源部』公式サイト
2026年の半導体の輸出額は「602億9,500万ドル」。輸出総額が「1,209億4,400万ドル」ですから、半導体だけで約49.9%。
輸出総額のほぼ半分が半導体を占めるという異様な状況なのです。さらに前年同月比「+262.8%」。こちらも異常な数字です。
対中国輸出、対アメリカ合衆国輸出の金額を見ると、以下のようになっています。
| 輸出先 | 2025年09月 | 2026年09月 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 中国 | 116.8億ドル | 260.1億ドル | +122.7% |
| 米国 | 102.7億ドル | 243.3億ドル | +137.0% |
※データ出典は上掲URL『韓国 産業通商資源部』公式サイト
対中国、対合衆国ともに対前年同月比で100%を超える増加です。つまり倍以上の輸出金額を叩き出しています。
09月01~25日の速報内訳では、半導体輸出が「中国向け+321%」、「合衆国向け+675%」という異常な数字です。
韓国輸出が強いこと自体は間違いありません。しかし、その強さは極端に半導体・AIインフラ関連に集中しています。
特に、半導体603.0億ドル + コンピューター70.0億ドル = 673.0億ドル
ですから、この2品目だけで輸出総額1,209.4億ドルの55.6%になります。
これはものすごい追い風である一方、韓国経済にとってはかなり大きな「集中リスク」でもあります。
AIデータセンター投資、DRAM・NAND価格、企業向けSSD需要などが反転した場合、現在は輸出を猛烈に押し上げている同じ構造が、逆方向にも作用するからです。
併せて注意しておきたいのは、韓国政府の財政リスクです。国財収入が増えるからと支出予算を膨らましていますが、予算には下方硬直性があります。
収入が減った人が生活レベルを下げるのは難しい――といわれますが、これは政府も同じこと。収入が減少したときに支出を思ったとおりカットできるとは限りません。
(吉田ハンチング@dcp)





