先にご紹介したとおり、韓国政府は2026年08月13日、(よせばいいのに)不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)を再稼働するという決定をしました。
この再稼働でキモになる「PF-ABCP」がどのようなものなのかをご紹介しておきます。いつまた「韓国レゴランド事件」みたいな不渡り騒動が起こるか分かりませんので。
「PF-ABCP」とは、
Project Finance Asset-Backed Commercial Paper
(プロジェクト・ファイナンス資産担保コマーシャルペーパー)
の略です。韓国語では「프로젝트파이낸싱 자산유동화기업어음」と呼びます。
『韓国住宅金融公社』(略称「HF」)は、
「PF事業に必要な資金を調達するため、施行会社に対する貸出債権を基礎資産として発行される、通常3カ月満期の企業手形(約束手形:引用者注)」
と定義しています。この「満期3カ月未満」が重要です。覚えておいてください。
そもそもCP(Commercial Paper)は無担保で発行される約束手形の一種です。満期は普通1年未満で、額面よりも安い金額に割り引いて発行されます。
例えば、額面は100万円で、発行金額は95万円と割り引いて発行されます。割引発行(discount issuance)されて、満期の(例えば3カ月後に)金融機関では100万円を受け取れる――という仕組みです。
95万円出して3カ月後に100万円受け取れるので、差額の5万円が利益になります。この利益が証券会社や投資家がPF-ABCPを購入する動機になります。
普通CPは無担保なのですが、資産が担保になっているので前に「Asset-Backed」が付いて、「Asset-Backed Commercial Paper(資産担保コマーシャルペーパー)」になります(略称「ABCP」)。
不動産PFの資金調達に使われるので「PF-ABCP」です。
「不動産開発の債権を証券化して、短期の企業手形という形で市場からカネを集める仕組み」
です。
ところが、ここには非常に大きな弱点があります
これが韓国でたびたび問題になる理由です。
不動産開発事業は長い。しかし「PF-ABCP」の満期は短いのです。
金融委員会によれば、不動産PF事業の期間が通常1~3年なのに対し、PF-ABCPは通常1~3カ月ごとに借り換え(차환=借換発行)する必要があります。
例えば「マンション完成まで3年かかる」のに、「借金の満期は3カ月」という構造があるわけです。
では3カ月後どうするのか? 返済はしません(笑)。
新しいPF-ABCPを発行
↓
その金で古いPF-ABCPを返済
↓
3カ月後にまた発行
↓
また借り換える
ということを繰り返します。
「ロールオーバー(借り換え)」です。
正常な金融市場なら問題ありません。しかし「この不動産事業、大丈夫なのか?」と市場が疑い始めると、一気に問題になります。
投資家が新しいPF-ABCPを買ってくれないと、
新しいABCPが売れない
⇒ 借り換え不能
⇒ 古いABCPを償還できない
⇒ 資金ショート
⇒ 開発事業が止まる
⇒ 保証した証券会社・建設会社に損失が及ぶ
となります。これがドボンが連鎖する構造です。
(柏ケミカル@dcp)





