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中国から「韓国の主権問題とみなすな」とお達し

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中国共産党の英語版御用新聞『GlobalTimes』が尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領に牽制球を投げました。

牽制球と言っても「塁にいる走者に当たっても構うもんか」という剛速球です。

韓国が中国に飲まされた「三不の誓い」

先にご紹介したとおり、親米派の尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは韓国にTHAAD(サード)の追加配備について意欲を見せました。


↑THAAD(Terminal High Altitude Area Defenseの略)ミサイル。弾道ミサイルを終末段階で迎撃するためのシステムです。

「韓国はTHAADの追加配備を行わない」は、韓国の中国に対するいわゆる「三不の誓い」の中に入っています。

2017年10月30日、韓国・康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が発表した三不合意
アメリカのミサイル防衛に参加しない
日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
THAADの追加配備をしない

韓国の主権放棄みたいな合意ですが、文政権はこれを自ら表明しました。

それを尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは守らないと表明したのです。

「THAADの配備を国内問題や主権問題とみなすな」と傲慢炸裂

実際に大統領になってから実現できるかが見物なわけですが、中国は、就任まで2カ月を切った時点で「御用新聞」を使って「三不合意を守るんだろうな」と圧力をかけてきました。

2022年03月11日付けの『GlobalTimes』記事の一部を以下に引用します。

記事タイトルがもう奮っています。「中国と韓国の関係には『敬意』が必要であり、『相互』でなければならない」となっています。

中国の韓国に対する外交、いや韓国に限らず、どの国に対する外交でも、どこに「敬意」と「敬意」があるのでしょうか。自国の都合ばかりを押しつけているというのに。

(前略)
さまざまな要因から、現在、韓国の一部の人々は、中国が自国を平等に扱っていないという猜疑心を持っている。

彼らは、「相互尊重」とは、中国が韓国を平等に扱うべきだという意味だと考えている。米韓関係が強固になって初めて中国が米韓を尊重するようになるとさえ思っている人もいる。

しかし、相互尊重は、中国がどの国にも対応する際の基本的な外交原則の一つである。

韓国も例外ではない。

近代植民地・半植民地国家から近代国民国家へと発展した韓国の隣国として、中国は韓国の自主外交を理解し、尊重し、アメリカ合衆国との同盟関係を認識している。

とはいえ、北京がソウルを尊重するのは、米韓同盟のためでも、その他の理由でもない。その尊重は、中韓両国が互いの核心的利益と主要な関心事について相互理解していることに基づくからである。

一方、「相互尊重」には「相互」の他に「尊敬」が含まれており、その意味合いも重要であることを指摘しておく。

中国が韓国を尊重するだけでなく、ソウルは北京の合法的な懸念を尊重すべきだという意味合いもある。

尹氏が「相互尊重」を強調したのは、文政権がTHAAD問題で「合衆国のミサイル防衛網に参加しない」「合衆国、日本との3国軍事同盟を構築しない」「THAADを追加配備しない」という「三不」を突きつけたことに対応したためとされる。

尹氏は以前、「三不」が相互尊重の文脈で達成されるとは考えていないと発言し、尹氏の上級顧問は尹氏がTHAAD追加配備を支持していると述べた。

これがユン氏の意見の誤訳であることを願う。

「三不」発言は、中国と韓国が相互尊重を実行した結果である。

二国間関係を凍結状態から正常な軌道に戻したのだ。

互いの核心的安全保障問題を尊重することは、健全な二国間関係の基礎の一つである。

THAADシステムは韓国の防衛ニーズを超え、中国の戦略的安全保障上の利益を著しく損なった。

朝鮮半島の平和と安定の保護に資するものではなく、韓国をより不安定な状況に陥れる可能性もある。

THAADは切望されるものではなく、多くの韓国人も、合衆国のためにリスクを取って優位に立つことだと考えている。

つまり、中国はソウルの自国の安全保障に関する正当な懸念を尊重するが、真の安全保障は共通で包括的、協力的かつ持続可能でなければならない。

中国の戦略的安全保障上の利益もまたソウルによって尊重されなければならない。

韓国はTHAADの配備を国内問題や主権問題とみなすべきではない。要するにアメリカが北東アジアに釘を刺したいという楔なのだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『GlobalTimes』「China-South Korea ties need ‘respect,’ and it must be ‘mutual’: Global Times editorial」

「THAADシステムは韓国の防衛ニーズを超え、中国の戦略的安全保障上の利益を著しく損なった」などとスゴイことを言っています。

韓国の防衛ニーズは韓国自身が考えることであって、中国に忖度されるいわれはありません。

韓国はTHAADの配備を国内問題や主権問題とみなすべきではない」も傲慢極まりない物言いです。

「韓国が自国に何を設置するのか」を自国の主権問題と考えるなというのです。

韓国が「三不の誓い」を飲んだのは、韓国製品の不買運動が起こされたり、中国に進出した企業に露骨な嫌がらせが行われたためです。

韓国は輸出一本で食べており、最大の輸出国は中国ですので、中国との関係がこじれるのを嫌って阿ったのです。

中国からこのような牽制球が来ましたが、果たして尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領がTHAADについてどのような判断を下すでしょうか。中国に阿って(中国に言わせると相互尊重)自説を曲げるかどうかはかなりの見物です。

(吉田ハンチング@dcp)

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