2025年01月23日、韓国の『現代自動車』が2024年第4四半期の業績を公示しました。
以下です。
2024年第4四半期
総売上:46兆6,237億ウォン(11.9%)
営業利益:2兆8,221億ウォン(-17.2%)
当期純利益:2兆4,741ウォン(12.3%)2024年通年
総売上:175兆2,315億ウォン(7.7%)
営業利益:14兆2,395億ウォン(-5.9%)
当期純利益:13兆2,299億ウォン(12.3%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
非常に面白い結果となりました。
2024年4Qは、対前年同期比で総売上は「11.9%」増加したにもかかわらず、営業利益は「17.2%も減少」しています。
この売上は増えたのに営業利益は減る――という減少は2024年通年でも表れています。対前年同期比で総売上は「7.7%」増加したのに、営業利益は「5.9%減少」しました。
さらに面白いのは、世界での販売台数は減少しています。
2024年の販売台数は414万台(対前年比:-1.8%)。販売台数は減少したのは、コロナ禍に見舞われた2020年以降で初です。
メインの市場での販売台数の対前年同期の増減を見ると――、
アメリカ合衆国:+4.8%
欧州:-7.5%
――となっており、2024年の結果はますます合衆国市場への依存を深めています。
2022年に日本市場に再進出しましたが、『現代自動車』は全く思うような成果を上げられていません。なぜここまで低迷しているのに撤退しないかというと、メンツもあるでしょうが、他に伸ばせそうな市場がないからです。
『現代自動車』は東南アジア市場に注力していますが、狙っているのは中国も同じ。あとは、事実上全く売れていないといっていい日本市場があるぐらいなのです。
日本市場における『現代自動車』のシェアは事実上「ゼロ」ですから、頑張れば伸ばすことが可能なように見える――のです(恐らく駄目ですけどね)。
風前の灯なのは、中国市場です。
読者の皆さまもご存じのとおり、『現代自動車』の販売量は中国市場で低迷を続けています。2024年上半期時点で、販売台数はわずかに9万4,300台。対前年同期比で「-23.5%」でした。
2024年通年がどのくらいで締まったのかというと「対前年比:中国市場で40%以上の減少」と報道が出ています。
中国の自動車市場は、現地のドメスティックな企業が際限なき低価格競争(安値の叩き合い)を繰り広げるレッドオーシャンです。
下を見れば、安い電気自動車が腐るほどある市場なのです。
ブランドイメージが高いドイツ車ですら売れなくなっているというのに、中国人から「タクシーのクルマですよね」というイメージしか持たれていない『現代自動車』のクルマが売れるわけがありません。
――というわけで、韓国の『現代自動車』は頼るところがもう合衆国市場しかありません。
この状況で、満を持して「トランプさんが再登板!」なのです。韓国人でなくてもゲンナリするでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)