韓国の政界では現在、保守寄り vs 左派・進歩系の対立が深まっています。
次期大統領選挙も見据えて、両陣営とも優位を得ようと必死の戦い(足の引っ張り合い)を繰り広げています。
国会で過半数を占めている左派・進歩系の『共に民主党』は、李在明(イ・ジェミョン)さんを次期大統領にするべく、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんを大統領の座から引きずり下ろすのに躍起です。
狙っているのは、朴槿恵(パク・クネ)大統領のときと同じで、弾劾に追い込んで引きずり下ろすことです。
弾劾アゲイン!といいうわけですが、このばかな策動に乗るようなら、韓国は本当に度し難い人々の群れだということになります。
日本人からすると「勝手にしなはれ」で知ったことではありませんが、面白い見世物ではあります。
2024年10月16日は、「保守寄り vs 左派・進歩系」の現在地を明らかにする選挙がありました。
↑2024年10月15日、釜山で「最後のお願い」で候補者の応援をする韓東勳(ハン・ドンフン)さん(月亭方正似)。
地方の再選挙・補欠選挙だったのですが、政府与党『国民の力』、最大野党『共に民主党』の双方は党首が先頭に立つ選挙戦を繰り広げました。
特に尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の支持率が低く、先の国会議員総選挙で負けた与党『国民の力』にとっては、絶対に負けられない戦いだったのです。
選挙結果は「2 対 2」でイーブン!
要所の結果は以下のようになりました。
●釜山・金井区庁長・補欠選挙
⇒『国民の力』尹一鉉(ユン・イルヒョン)候補が圧勝
●仁川市江華郡守・補欠選挙
⇒『国民の力』朴用哲(パク・ヨンチョル)候補が勝利
●全羅南道霊光郡守・再選挙
⇒『共に民主党』張世逸(チャン・セイル)候補が勝利
●全羅南道谷城郡守・再選挙
⇒『共に民主党』趙相来(チョ・サンレ)候補が勝利
上記のとおり――『国民の力』:2 vs 『共に民主党』:2――とイーブンの結果になりました。しっかり地盤を持つ候補が順当に勝ったので、特に波乱はなったともいえます。『国民の力』からすると「負けなくて良かった」でした。
面白いのは、「疑惑のタマネギ男」曹国(チョ・グク)さんの『祖国革新党』の候補が、全羅南道霊光郡守、全羅南道谷城郡守の再選挙で『共に民主党』候補に敗れていることです。
曹国(チョ・グク)さんは文在寅政権で首席民情秘書、また一瞬だけ法務部長官を務めた人物。文在寅さんも次の大統領と目論んでいたのですが、金に汚く、一家総出で息子のカンニングを手伝ったことなどの不祥事が発覚して、あっという間に転落。
このような曹国(チョ・グク)さんを支持する人がいるのが信じられませんが、先の国会議員総選挙では新党『祖国革新党』を立ち上げ、当選。国会議員の数では第3党に躍進したのです。
まさか今回の再選挙・補欠選挙でも勝つのではあるまいな――だったのですが、それは阻止されました。
『共に民主党』の党首・李在明(イ・ジェミョン)さんは胸をなでおろしたことでしょう。仲がよくない文在寅さんのシンパに勢力を伸ばされてたまるか――だったのですから。
――というわけで、注目の選挙結果が出ました。
『国民の力』の党首・韓東勳(ハン・ドンフン)さん、『共に民主党』の党首・李在明(イ・ジェミョン)さん、両者共に「負けなかった」というとこで意を強くしたものと思われます。
(吉田ハンチング@dcp)