韓国メディアが、国会政務委員会所属のオ・ギヒョン『共に民主党』が金融監督院と13の金融公共機関・金融公企業から入手した資料を基にした記事を出しています。
このデータによると、2023年10月時点で『信用保証基金』と『住宅都市保証公社』などの金融公共機関が、借り手の代わりに借金を返済する「代位弁済」の金額が10兆1,529億ウォンに達したことが分かりました。
日本でも、例えばマンションなどを賃貸するときに同じような仕組みを使うことがあります。連帯保証人に信用保証協会が入り、賃借人が支払いができなくなった際にはその債務を代位弁済してくれます。
債務者の代わりに支払うので、代位弁済というわけです。
債務者にとっては便利で助かる話ですが、韓国の公的な金融機関にとっては負担になります。結局は国民の税金でかたをつけることになりますので。
また「10兆1,529億ウォン」という金額が大問題です。
2022年の年間総代位弁済額は「5兆8,297億ウォン」ですので、2023年は10月時点ですでに約1.7倍となっています。
単純計算しても、2023年の代位弁済金額は1カ月当たり「約1兆153億ウォン」。これを12倍すると「約12兆1,835億ウォン」。代位弁済額は2022年の2倍を超えることになるでしょう(約2.09倍になるはず)。
つまり、韓国政府機関が債務者に代わって支払うお金が倍になることを意味します。
特に注目したいのは『住宅都市保証公社』の弁済額で、「3兆5,742億ウォン」となっており、2022年、1年間の代位弁済額「1兆581億ウォン」と比較して、なんと約3.4倍に増加しました。
また、賃貸保証金保証の代位弁済率も2022年の「0.1%」から、2023年10月には「7.8%」に急上昇しています。
Money1でもご紹介しているとおり、韓国では家計負債がまた増加に転じており、増加の大きな要因は「住宅ローン」による債務の増加です。そろそろ底だろうと、住宅にお金を投じる人が増加したのが原因と見られます。
しかし、その一方で債務を返済できず代位弁済に頼る人が増加しているのです。
賃貸の方でも代位弁済率が上掲のとおり急上昇しており、この7.8%は「債務不履行」を意味しますから、そのまま不良債権といってもいいわけです。不良債権が「7.8%」というのはかなりひどい数字です。
公的な金融機関が個人の債務を補填する状況が進んでいるのですが、これは一種の徳政令のようなものです。また、韓国政府の財政は火の車ですから、いつまでこのような状況が続けられるのかも問題です。
韓国はあっちでもこっちでも火がついています。ぼやのうちに消し止めることができるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)