韓国メディア『朝鮮日報』に興味深い記事が出ています。
ヒューマノイド型のロボットが注目されており、韓国でもこれからは「これだ」という話があります。『SKグループ』の崔泰源(チェ・テウォン)会長が例によって「注力する」と発言したりしています。
↑『マサチューセッツ工科大学』機械工学科のキム・サンベ教授/。
『朝鮮日報』の記事では、実際にMIT(マサチューセッツ工科大学)の機械工学科で研究を進めているキム・サンベ教授にインタビュー取材を行っています。実際にMITまで行き研究室を訪問しているのですが、同記事の中に面白い指摘があるのです。
記事より一部を以下に引用します。
(前略)
――韓国は産業用ロボットの導入率が世界一ですが、革新的なロボットが生まれません。なぜでしょうか?「海外で学んだ韓国の研究者のレベルはすでに世界水準です。
しかし、研究に専念できない韓国の文化が問題なのです。
韓国で研究テーマを決める際、最初に問われるのは『合衆国ですでにやっているか?』です。
韓国ではアメリカの技術を追いかける“ファスト・フォロワー”戦略が主流で、新しい研究を始めることがない。
アメリカでやっていないテーマに挑戦すると、『そんなことをして何になる?』と言われるのです」
彼が指摘する「R&Dの問題」とは、韓国では「R(研究)」をせず、「D(開発)」ばかり行っているという点だ。
—— どうすればこの問題を解決できるでしょうか?
「韓国の教授たちは『仕事の50%以上が研究費の確保』だと言います。
韓国では研究費の評価基準が“定量評価”です。新しいアイデアを試す研究において、数値化できない要素を定量評価で測るのは無理です。
さらに、韓国では研究提案書の要求量が異常に多い。
企業に研究提案を出す場合、10ページ以内で十分ですが、韓国政府に提出する際には400ページも必要でした。
これは時間の無駄です。その時間を研究に充てたほうがよほど有意義でしょう」
(後略)
教授の指摘は、Money1でも先にご紹介した「いち早くパクって追いつく戦略をやめろ」という話と同じです。

戦略コンサルティング会社『マッキンゼー・アンド・カンパニー』のBob Sternfels(ボブ・スターンフェルズ)会長(Global Managing Partner )とキム教授が指摘していることは、本質的に同じです。
この記事の言い方にならうなら――「ファスト・フォロワー戦略だけをやっているからダメ」で、「Rがなくて、Dばっかりやってる」――というわけです。
これは韓国企業の成り立ち、いや韓国という国の成り立ちに深く根ざしています。何度もご紹介していますが、韓国というのは日本を丸ごとコピーしようとした、他に類を見ない異常な国で――できたのは日本の劣化コピーだった――というのが現状で――だからこそ「今、行き詰まっている」のです。
簡単にいえば「日本から剽窃できなくなったらどうするの?」という現実に直面しているのです。
そしてこれは、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁の「韓国は10年間、構造的な改革を行わず、新しい産業を生み出してこなかった」という指摘に直結しています。
キム教授のような優秀な人は海外に出ていき、もはや韓国は下り坂です。
韓国にはオリジナリティーがないままにピークを超え、朽ちていこうとしているのです。
(吉田ハンチング@dcp)