2025年04月21日、韓国の関税庁が「2025年04月01~20日の輸出入状況」のデータを公表しました。以下をご覧ください。
2025年04月01~20日
輸出:338億7,000万ドル(-5.2%)
輸入:340億700万ドル(-11.8%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-1億3,700万ドル2025年01月01日~04月20日累計
輸出:1,937億800万ドル(-2.7%)
輸入:1,865億7,600万ドル(-3.5%)
貿易収支(輸出 – 輸入):71億3,200万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2025年04月01~20日の輸出入状況」
Money1でもご紹介してきたとおり、通関ベースの輸出入は、最後の10日間で赤黒を引っくり返す傾向にあります。いまだ月央なので、赤字なのは特に珍しいことではありません。
それはいいのですが、ご注目いただきたいのは、輸入金額の減り具合です。対前年同期比で「-11.8%」は、いくら何でも減りすぎです。
もちろん月次のデータはまだ締まっていません。あと10日様子を見ないと分かりませんが、なぜ減ったのかの答えの一つは、エネルギー価格が下がっていることです。
ブレント原油は、04月09日に1バレルあたり60.44ドルまで下落し、過去4年間での最低水準となりました。 WTIは同日、1バレルあたり57.12ドルまで下落。ロシア産ウラル原油は、04月20日時点で1バレルあたり53ドルに達し、2023年以来の安値を記録しています。
これらの価格下落は、米中間の貿易戦争の激化や世界的な需要の減少、OPEC+諸国の増産計画など、複数の要因が重なった結果とされています。
同期間内の輸入品目の金額を見ると以下のようになります。
原油:43億3900万ドル(-29.5%)
半導体:40億1,400万ドル(-2.0%)
機械類:16億9,300万ドル(-2.5%)
天然ガス:16億7,900万ドル(-21.3%)
半導体製造装置:12億6,800万ドル(+9.8%)
石油製品:11億9,100万ドル(-26.6%)
精密機器:9億5,300万ドル(+2.9%)
乗用車:6億9,900万ドル(-23.5%)
石炭:6億500万ドル(-33.2%)
無線通信機器:4億5,900万ドル(-18.6%)
原油、天然ガス、石油製品、石炭とエネルギー輸入が急減していることが分かります。これが輸入が対前年同期比で11.8%もマイナスになった理由です。
対中国貿易がどうなっているかを見てみましょう。
↑黄色のマーカーが対中国輸出、マゼンダのマーカーが対中国輸入。2025年04月01~20日。2025年04月01~20日
対中国輸出:66億2,200万ドル(-3.4%)
対中国輸入:76億4,800万ドル(-7.6%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-10億2,600万ドル
月央段階で、対中国貿易は約10.3億ドルの赤字です。
2025年01~03月の対中国貿易収支は計「-32.4億ドル」ですから、04月に10億ドルを超える赤字を積むと……けっこうつらいですね。
合衆国は、韓国に対しても相互関税を科し、現在はモラトリアム期間となって、まだ揉めています。今回のリポートを見ると、韓国の対合衆国輸出は――、
2025年04月01~20日
61億8,200万ドル(-14.3%)
――と大きく減少しています。早く合衆国と話をつけないと、韓国経済は傾きそうですよ。
(吉田ハンチング@dcp)