2025年04月16日、『WTO』(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)が「Global Trade Outlook and Statistics」(世界貿易見通しと統計)を公表しました。
↑現在『WTO』の事務局長はナイジェリア出身のヌゴジ・オコンジョイウェアラ(Ngozi Okonjo-Iweala)さん。韓国出身の兪明希(ユ・ミョンヒ)さんも破って当選しました(あはははは)。

『WTO』はもはや機能していない!
合衆国が全く協力的ではないため、『WTO』はもはや機能してはいません。自由貿易の守護者、調停機関ではなくなった――と考えるべきです。
そもそも中国を『WTO』に加盟させたのこそが大失敗だったわけですが、合衆国はこの失策を『WTO』を機能不全に追い込むことで穴埋めしようとしています。
国連に対しても同じで、中国が『WTO』『国際連合』を利用して覇権国家として振る舞うなら、そんな国際機関は力を発揮できなくしてやる――というのが基本方針です。
すでに合衆国は『WHO』から脱退を宣言しました(2025年01月20日:当日大統領令にも署名)。これも同じ主旨ですね。
ある意味これは正しい態度で、国際機関を妙に信用し過ぎるところのある日本人は、合衆国の横紙破りな態度を大いに参考にするべきです。
組織など、ガラガラポンでまた造ればいいのです。重要点は、中国や韓国といった、信用できない反日国家を決して仲間にしないこです。『WTO』に代わるものになれますから、CPTPPには絶対に中国と韓国を入れてはいけません。
何度もいいますが、すり寄ってきたら高下駄で顔面を蹴り飛ばしてやりましょう。
『WTO』の憂鬱な警告
――本題に戻ります。今回の『WTO』の世界貿易見通しと統計は深刻な内容です。
合衆国が仕掛けた高関税賦課戦術は、中国の貿易を封じようとするもので、実際大きな成果を上げようとしています。自由貿易などでは決してありませんし、露骨に「中国を絶対殺すマン」的な所業ですが、これが合衆国の狙いなのです。
『WTO』は、合衆国が広範囲な関税を全面的に再導入した場合(もう始まっています)、世界のモノの貿易成長率は0.6ポイント低下し、さらにその波及効果で0.8ポイントの追加減少が予測されるとしています。
これらを合算すると、貿易量は1.5%の減少となり、2020年以来で最も深刻な落ち込みとなるのです。
『WTO』は、米中間のモノの貿易が、驚くなかれ「81%減少する」と予測しています。
スマートフォンなど一部製品で関税除外措置が講じられていなければ、91%まで落ち込んでいた可能性もある――とのこと。
オコンジョイウェアラ事務局長は――、
「もし米中の“デカップリング”が起き、地政学的な分断による世界経済の二極化が進行すれば、その影響は非常に深刻なものになる。
このシナリオが現実になれば、世界のGDPは長期的に7%縮小する可能性があり、極めて大きな影響が予想される」――と述べています。
そもそも予測のベースラインを固めるのも難しい――というのが本当のところで、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の元理事を務めたHéctor Torres(ヘクター・トーレス)さんは――、
「信頼に足る基本シナリオを予測すること自体が、ほぼ不可能になっている。
『ルールに基づく』貿易体制は崩壊しつつあり、『取引ベース』の気まぐれな体制に取って代わられようとしている。
今後の見通しは、トランプ政権と二国間合意を結べるかどうかに左右される」
――と吐露しているぐらいなのです。
(吉田ハンチング@dcp)