正式発表は後日ですが、『WTO』(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)の事務局選挙がいよいよ本日、ほぼほぼ決するといわれています。もちろん事務局長選挙は「全会一致の決定」が原則なのでもめる可能性はあります。
以下の二人の女性候補が最終候補となりました。
●ヌゴジ・オコンジョイウェアラ(Ngozi Okonjo-Iweala):ナイジェリア
米ハーバード大学卒、米マサチューセッツ工科大学(MIT)博士。ナイジェリア財務大臣、外務大臣などを歴任。
●兪明希(ユ・ミョンヒ)(Yoo Myung-hee):韓国
ソウル大学卒、米バンダービルト大学で法学博士号を取得。韓国産業通商資源部の通商交渉本部長。
各種メディアの報道を総合すると以下のような情勢です。
日本
EU(27カ国)
アフリカの全ての加盟国(44カ国)
アンゴラ,ウガンダ,エジプト,ガーナ,カーボヴェルデ,ガボン,カメルーン,ガンビア,ギニア,ギニアビサウ,ケニア,コンゴ共和国,コンゴ民主共和国,ザンビア,シエラレオネ,ジブチ,ジンバブエ,スワジランド,セネガル,セーシェル,コートジボワール,タンザニア,チャド,中央アフリカ,チュニジア,トーゴ,ナイジェリア,ナミビア,ニジェール,ブルキナファソ,ブルンジ,ベナン,ボツワナ,マダガスカル,マラウイ,マリ,南アフリカ共和国,モザンビーク,モーリシャス,モーリタニア,モロッコ,リベリア,ルワンダ,レソト
⇒データ引用元:『外務省』公式サイト「世界貿易機関」
オコンジョイウェアラさんが「アフリカの全ての国が私を支持している」という発言をしています。その言葉が正しいのであれば、アフリカの加盟国が丸っと票に入るのは大きいですね。またEU加盟国の支持が得られているのも影響力大です。
日本は最初から同氏支持です。
対して兪明希さんですが、報道によると「アメリカ合衆国が支持している」となっています。
選挙では「合衆国」と「EU・日本・アフリカ」の対決となりそうです。ただ、10月08日の『Bloomberg』の報道では、合衆国のライトハイザー通商代表は「どちらを不支持とするのか難しい」旨の発言をしているようなので、合衆国の兪さん支持もそれほど確固たるものではないようです。
また中国ですが、ご存じのとおり中国はアフリカ諸国に莫大な投資を行っており(「債務の罠」に引っ掛けてもいる)、アフリカの国の代表の方が御しやすいと考えている節があります。韓国の兪さんとどちらが自国の得になるかを天秤にかけるでしょう。
EU、アフリカ諸国がオコンジョイウェアラさん支持に回っているので、韓国では文在寅大統領が各国に「最後のお願い」をしているとのこと。
↑『中央日報(日本語版)』の紙面(2020年10月28日)。ほらほら、電話ばっかりかけてますよ
(柏ケミカル@dcp)