【1,200ウォン線の防衛】韓国通貨当局が介入している、という話

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「1ドル=1,200ウォン」を超えるとだいたい韓国経済はロクなことになりません。これは韓国の経験からくる心理的な抵抗線です。そのため韓国メディアでも「1,200ウォン」の線は注目されます。

以下のドルウォンチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/月足)。


↑水色の線が「1ドル=1,200ウォン」です。

1997年のアジア通貨危機時には「1ドル=1,995.00ウォン」(ヒゲですけど)、2008~2009年の韓国通貨危機時には「1ドル=1,598.65ウォン」(同ヒゲ)にまで達しています。

このような明らかなドボンになった2回以外にも、ドルウォンが「1,200ウォン」を超えた時期には、カード大乱で国が傾いた2002~2003年、欧州危機の2010年、中国の元ショックがあった2015~2016年などロクなことがありません(因果関係は逆ですが)。

ですので通貨当局もこの線は超えさせたくないわけです。直近で「すわワロス曲線か」が見られたのは、09月17日で、この日の防衛線は恐らく「1ドル=1,180ウォン」近辺で、なんとか「1ドル=1,176ウォン」まで戻したかったと推測します。

どうも「通貨当局が介入している」そうです

ファンダメンタルズがどう考えてもドル高に向かっていますので、どうしたってウォン安に進行するわけですが、通貨当局も座視しているつもりはないようです。

いよいよ「1ドル=1,200ウォン」が突破、確定されそうだというので韓国メディアにもドルウォンレートについての記事が多くなっています。

2021年10月13日の『韓国経済』の記事に興味深い記述があるのです。以下に一部を引用します。

(前略)
前日の為替レートは、平均レートをはるかに上回る1,198.80ウォンで引けた。

午前中に為替相場は1200.40ウォンまで上がった。

この日も、当局の介入と外国人が綱引きをしながら1,190ウォン~1,200ウォン台を巡る見通しだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国経済』「『危機の兆候』為替レート1,200ウォン突破…企業もドル集める」

さらっと書いていますが、『韓国経済』の同記事がウラが取れているなら、通貨当局は為替介入を行っている模様です。

しかし、ファンダメンタルズはあくまでもドル高方向です。問題は、これから本格的なドル高進行が始まるかもしれないのに、すでにこの水準まできていて大丈夫なのかという点です。

以下は、ドルウォンチャートにドルの強さを示す「DXY」チャートを重ねたものです。


↑ドルウォンはローソク足。DXYはバーチャート。バーチャートは陰線と陽線の色がローソク足とは逆になっている点にご注意ください。

ドルの強さを示す「DXY」は2020年09月終わりから10月頭の水準ですが、ドルウォンレートはすでにドボン寸前だった2020年02月、2020年07月水準に達しています。

これからドルがさらに強くなることが予想されるのに、もう「1ドル=1,200ウォン」寸前まできているのです。ウォン安はさらに大きく進行してしまうのではないか?と指摘される理由の一つです。

つまり、これはウォンの脆弱性を示しています。

(吉田ハンチング@dcp)

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