2024年04月09日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は、前文在寅政権が中国に文句の一つもいえず、韓国の漁民は泣き寝入りを強いられていた――という文書を出しました。
中国と韓国は黄海をはさんで向かい合っています。そのため、漁場の争いが絶えません。中国が無法に韓国の漁船を圧迫している――と韓国側は主張しています。
以下がその文書です(長いですので強調文字の部分だけご注目いただければ大丈夫です)。
尹大統領、不法操業取り締まり現場を視察「前政権が中国との関係のために取り締まりできず、韓国漁民だけが被害。 不法操業は国家安全保障の観点から取り締まる」
2024.04.09
– 中国船の不法操業問題、水産資源保護と国家安全保障の次元で強く対応-
– 前政権、中国との関係のせいできちんと取り締まらず、韓国漁民だけが大きな被害を受ける-
– 不法操業漁船を取り締まる海警の処遇改善と取り締まり専担艦艇の導入及び取り締まり海警の安全装備の現代化を約束- YouTubeYouTubeでお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は本日(04月09日火曜日)午後、仁川市中区に位置する海洋警察庁西海5道特別警備団を訪問し、花蟹シーズンの中国船の不法操業を取り締まる現場を点検し、断固たる対応を要請しました(上掲のショート動画は大統領室が公開したもの)。
大統領は去る03月14日、全羅南道庁で開かれた民生討論会で、中国の違法漁業行為に断固として対応し、海の領土主権を守り、漁民の水産資源を守ると強調しました。
大統領はまず、仁川海警専用埠頭に到着し、殉職者である故イ・チョンホ(李清鎬)巡査部長と故オ・ジンソク警部の胸像に献花と黙祷を捧げました。
故イ・チョンホ(李清鎬)巡査部長は2011年に違法操業中の中国漁船を捕獲して殉職し、故オ・ジンソク警部は2015年に救急患者移送作戦中に船の衝突事故で負傷し、治療を受けながら殉職しました。
その後、大統領は徒歩で「海警3005艦」の前まで移動し、出迎えた艦長、部長、機関長などと握手した後、警備艦に一緒に乗船しました。
大統領は不法操業取り締まり現場点検会議を開始し、「中国船の不法操業問題は、韓国の水産資源保護だけでなく、国家安全保障という次元で強く対応していかなければならない」と強調しました。
大統領は「中国と軍事同盟を結んでいる北朝鮮も中国船の不法操業を強力に取り締まるのに、前政権は中国との関係を気にしてきちんと取り締まらなかったため、哀れな韓国漁民だけが大きな被害を受けた」と指摘しました。
続いて大統領は「周辺大国の目を気にして韓国漁民の生計さえ守れなければ、政府の存在意義がない」とし、「今後、韓国海警はいかなる政治的判断を気にせず、国民の安全と国益を守ることだけに全力を注いでほしい」と要請しました。
特に、大統領は海警が本来の任務を適切に遂行できるように支援を惜しまないとして、取り締まり海警に対する処遇を改善し、取り締まり装備を現代化すると明らかにしました。
また、違法操業中国船に直接乗り込める構造になっている「取り締まり専担艇」を導入し、海警の安全装備を現代化すると約束しました。
挨拶を終えた大統領は、パク・サンデク西海5道特別警備団長から業務報告を受けた後、出動艦とビデオ通話を通じて、韓国漁民の操業状況と中国船の取り締まり状況を確認しました。
大統領は現在518艦の位置はどこなのか、NLL海域には何隻の中国船が操業中なのか、延坪漁場で操業中の韓国漁船は何隻なのかなどを尋ね、518艦の李康哲艦長は中国船と韓国漁船の操業状況と任務遂行状況などを報告しました。
大統領は、困難で危険な任務を遂行しているだけに、安全に万全を期すよう要請しました。
続いて行われた質疑応答で、大統領がパク・チョチョル京仁西部漁協組合長に花蟹の操業状況を尋ねると、パク組合長は漁場関連規制緩和で延坪漁場など漁場が拡大されたことに感謝を表し、海警の中国船の取り締まりで花蟹の操業状況がかなり良くなっていると述べました。
また、大統領が海洋水産部の漁民支援計画を尋ねると、カン・ガンヒョン海洋水産部長官は、操業に最も重要な給油施設と冷蔵・冷凍施設の建設を財政当局と迅速に連絡し、推進できるようにすると述べました。
大統領は質疑応答を終え、漁船で使用されている高速団艇、銃器類、無人ヘリコプターなどの取り締まり装備を視察。 視察を終えた大統領は、全ての乗組員と一人一人握手し、記念撮影をすることを最後に現場点検を終えました。
⇒参照・引用元:『韓国 第20代大統領室』公式サイト「尹大統領、不法操業取り締まりの現場点検『先行政府が中国関係のため取り締まりできず、我が漁民だけ被害。違法操業は国家安全保障次元取り締まり』」
総選挙前に公表された文書なので、「中国に忖度した前文在寅政権とは違うよ」とアピールする内容となっています。
中国漁船がいかに韓国を圧迫しているか(あるいは逆に韓国漁船がいかに中国側を圧迫しているか)については、お互いに言い分があって難しいところですが、少なくとも尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、前文在寅政権のように中国に忖度はしない、と明言しました。
これを実際に行うのかどうか――を見せていただきましょう。
(吉田ハンチング@dcp)