韓国でよく言う「マイナス通帳」って何?

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読者の方から「マイナス通帳って何?」という質問をいただいたので、今回はこれについてご紹介します。

韓国メディアの記事を読んでいると、「マイナス通帳」という言葉が登場することがあります。

例えば、韓国の大好きな「通貨スワップ」を説明するのに「マイナス通帳のようなもので……」といったりなど、日本では全く聞かない言葉なので、「何のこっちゃ」と思われるのも無理はありません。

このマイナス通帳というのは、韓国ではポピュラーな金融商品です。簡単にいうと限度額を設定した「信用貸付」で、定めた限度額まで、必要な金額を口座からお金を引き出すことができます。引き出したお金には金利がつきます。

例えば限度額を1億ウォンと設定したマイナス通帳の場合、借りた元金が1億に達するまでは、何度でも貸付を受ける(口座からお金を引き出す)ことができます。

マイナス通帳は、借り手がいつ、いくら借りるのか分からないので、一般に金利は高く設定されています。

例えば以下は「2025年マイナス通帳金利比較」というページにまとめられた表組です。

以下は上掲を日本語化したものです。


↑最大15%という利率もあります。ここまでくると「サラ金ですよね」です。

面白いのは「返済」です。

利息の支払いは、銀行との契約で毎月決まった日に支払うことが義務付けられています。例えば毎月末日などが一般的です。

しかし、元金の返済の方は随時返済です。つまり契約期間内ならいつ返済してもいいのです。利子の方を払い続けることにはなるものの、元金返済の方は契約期間いっぱい支払わないで引っ張ることができます。

だだし、いいことばかりではありません。すぐお分かりになると思いますが、元金が残り続けるので、利払いはその分複利で増加する――という仕組みなのです。

また、元金返済をいつまで引っ張るかが任意なので、利払いがいくらになるかを都度計算しなければならず、最終的に借りたお金(銀行の貸付)に対しての返済計画が立てにくいというデメリットがあります。

前記のとおり、マイナス通帳は利率が高いので、これも大きなデメリットです。

つまり、マイナス通帳というのは、元金返済を(契約期間内で)任意に決めることができますが、その分返済金額が増え、しかもいくら支払うことになるのか自分でも計算しにくい信用貸付(商品)――なのです。

随時入出金型の信用貸付という仕組みであるため、いくら支払うのかがはっきりしていないと嫌、借りたお金は着実に返す(返さなければならない)――という日本人にはあまり向いていないものだともいえます。

だからこそ韓国ではポピュラーなのに、日本では「聞いたことないなあ」――になるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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