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韓国通販サイト破綻「800億ウォンしかない。全部出せるか分からない」

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2024年07月29日、韓国通販サイト『TMON』『ウィメプ』が裁判所に正式に「再生(回生)申請」を提出しました。破綻したことを自分で認めたことになります。

両社は声明文で「取引の中断と会員離脱によるキャッシュ・フローの悪化問題を克服することに限界があった」「現在の悪循環を防止しながら回生制度を通じて事業正常化を拾ってセラー(売り手:出店している販売業者)・購入者の会員が被害を受けないように回生開始の申請を決定した」と述べています。

先にご紹介したとおり、すでに政府は販売業者・消費者保護のために動き出しています。

韓国「eコマース破綻事態」で5,600億 支援する羽目に。
先にご紹介した『Qoo10』関連会社『TMON』『ウィメプ』の事実上破綻による被害額が拡大しています。2024年07月29日、韓国の企画財政部が「『ウィメプ』『TMON』販売代金未決済関連関係省庁TF会議」を開催しました。↑Googleの自...

面白いのは――『Qoo10』が「5,000万ドル(約700万ドル)を調達して事態収拾に当たる」としていたのですが、韓国の金融当局によって「口だけだった」と認識されていたことです。以下に韓国メディア『朝鮮日報』の書きようを引用します。

『TMON』『ウィメプ』は親会社の『Qoo10』の持分売却および担保提供を通じて約700億ウォンを調達するとした。

しかし金融当局は「資金調達計画を提出できずにいる」「口だけの状況」とし、ティモン・ウィメフの資金調達能力に疑問を持った。

案の定、金融当局の懸念のとおり、『TMON』『ウィメプ』は資金調達が順調でないため、結局ソウル回生裁判所に企業回再生を申請したのだ。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「사재로 막겠다더니 회생신청… ‘티메프’ 변심 금융 당국도 몰랐다」

先にご紹介したとおり、『Qoo10』には資産がありません。傾いている企業の株式を担保に……としても資金を提供するところはなかったと見られます。

2024年07月30日、今まで姿を現さなかった『Qoo10』創業者のク・ヨンベさんが、国会政務委員会に出席。今回の事態について以下のように語りました。

「今回の事態で被害を受けた販売者とパートナー、国民に心から謝罪する」

グループが動員できる資金は800億ウォンだ。これをすべて投入できるかどうかは分からない

要するに、事態収拾にいくら出すのか分からん――ということです。

興味深いのは、今回の企業再生申請について、金融当局が全く事前に相談を受けていなかったことです。これが当局に『韓国鉄道』にさわったらしく、『朝鮮日報』の同記事は、

(前略)
30日、金融当局によると、金融委員会と金融監督院は『TMON』『ウィメプ』の企業再生申請について事前に知らされていなかったという。

金融当局関係者は「会社から(企業再生申請について)聞いていなかった」と述べた。

また、別の金融当局関係者も「ワークアウト(企業財務構造改善)ではなく裁判所に申請する企業再生であったため、事前に知らなかった」と述べた。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「사재로 막겠다더니 회생신청… ‘티메프’ 변심 금융 당국도 몰랐다」

と書いています。

2024年07月30日、金融監督院は現場調査に入りました。

『TMON』と『ウィメプ』の決済を担当していた「PG(決済代行業者)」(これも『Qoo10』関連会社)に損失が大きくなると見られています。

ただし、金融監督院が把握している限りは、問題になっている未決済金額は「2,134億ウォン」程度なので、金融機関に対する影響はそこまで大きくはありません(決済代行業者が潰れても関係ないので)。

ただし、出店した販売者には影響があります(取りはぐれたお金が政府支援から入ってくるとしても融資を受けた形になってしまうので)。

こうなると一種の詐欺事案みたいなものです。なにせネットに出店させて物を売らせ、その代金を出店業者に払わず、消費者に払い戻しもさせなかったわけですから。

(吉田ハンチング@dcp)

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