価格があまり大きく変動しないため、もしものときに頼りになるといわれている金。世界の国々も、多くの金を保有しています。では、どの国がどれだけ金を保有しているのか知っていますか?
世界一の保有量でも国民1人当たりでは少ない……
金の普及や調査を行う団体『World Gold Council』が公開しているデータに「各国の中央銀行が保有している金の量」というものがあります。これによると、金保有量の上位10カ国は以下のようになっています。
1位 アメリカ……約8,134トン(73%)
2位 ドイツ……約3,384トン(68%)
3位 イタリア……約2,452トン(67%)
4位 フランス……約2,435トン(66%)
5位 ロシア……約1,208トン(12%)
6位 中国……約1,054トン(1%)
7位 スイス……約1,040トン(8%)
8位 日本……約765トン(2%)
9位 オランダ……約613トン(55%)
10位 インド……約558トン(7%)
※2014年のもの、( )内は外貨準備高に占める金の割合
2014年の段階で世界一金を保有している国はアメリカです。約8,134トンとダントツです。2位のドイツも約3,384トンの金を保有。4位のフランスまでが特に高い金保有量になっています。また、これらの国は外貨準備高のうち約7割を金が占めています。現金よりも金ということなのでしょうね。
5位のロシアはここ数年で金を多く購入し金保有量を高めています。成長著しい中国は世界6位ですが、外貨準備高に占める割合はわずかに1%です。日本も2%と少ないようです。日本は外貨準備のほとんどをアメリカ国債が占めるので、金の保有は少ないのでしょう。意外なところでは、イギリスが約310トンで17位だったりします。また、IMF(国際通貨基金)も金を保有しており、その量は約2,814トン。ランキングでは世界3位に該当します。
ちなみに、この金保有量を国民1人当たりに換算した場合、トップ5は以下のようになります。
1位 スイス……128グラム
2位 ドイツ……42グラム
3位 イタリア……40グラム
4位 フランス……28グラム
5位 アメリカ……26グラム
1人当たりに換算するとなんとスイスがトップ。2位のドイツの3倍以上もの数値です。保有量が世界一だったアメリカは1人当たりだと26グラムと、かなり少なくなってしまうようですね。
次は金の消費量についても見ていきましょう。同じく『World Gold Council』によると、金消費需要の多い国は次のようなランキングになっています。
1位 インド……約842.7トン(26.2%)
2位 中国……約813.6トン(25.3%)
3位 アメリカ……約179.2トン(5.6%)
4位 トルコ……約123.0トン(3.8%)
5位 ドイツ……約101.4トン(3.2%)
6位 タイ……約83.6トン(2.6%)
7位 ロシア……約70.6トン(2.2%)
8位 ベトナム……約69.1トン(2.1%)
9位 UAE……約68.2トン(2.1%)
10位 サウジアラビア……約67.9トン(2.1%)
※2014年のもの、( )内は世界全体の消費量に占める割合
金の消費量はインドが世界一です。世界全体の消費量の4分の1ほどを占めています。2位の中国も同じくらいの数字。この2国だけで世界の消費量の半分です。そう考えるとものすごいことですよね。ためるよりも使うことがまずは優先ということなのでしょう。
各国の金の保有量と消費量をご紹介しました。所有は欧米の国々が多く、消費は中国やインドといった新興国が多いということです。
ちなみに、これまでに掘り出された金の総量は約17万トンといわれており、これは50メートルプール3.5杯ほどの量なのだそうです。残りは7万トンほどといわれていますが、もし掘り尽くされたら金の価値はどのようになってしまうのでしょうね。
引用元:World Gold Council「Latest World Official Gold Reserves」
https://www.gold.org/download/7739
(中田ボンベ@dcp)