韓国の公社など公的機関の中には負債を抱えてにっちもさっちもいかなくなっているものがあります。
Money1でも何度もご紹介しておりますが、特に資源系の公社の負債額は膨らんでおり、結局税金で補填しないとならない状況です。
前文政権でも企画財政部が整理に乗り出したものの、負債が大きすぎる公社を比較的財務状況がましな公社と合併させる、採算の合わない鉱山を売却するといった方策で手一杯でした。
2021年末基準で負債総額は585兆ウォンに達しましす。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は新政権において、負債を抱えた公社などに手を付ける動きを見せています。
2022年06月21日、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は国務会で「公共機関の改革はもはや延期できない課題」とし、「公共機関の評価を厳しくし、放漫に運営されてきた部分は果敢に改善しなければならない」と述べました。
確かに中央政府の負債だけでも1,000兆ウォンに達した今、公的機関の負債を放置し続けることは国際的な信用下落につながりますので放置できません。
何度もご紹介していますが、韓国政府が公表している政府負債はあくまでも「D1」のデータであって、国際基準の「D2」にすればもっと膨らむのです。
D2:D1 + 非営利公共機関の負債
D3:D2 + 非金融公企業の負債
パーティーはおしまい!
今回の国務会議での「公的機関の放漫経営をなくす」という件について報じた『中央日報』記事に面白い箇所があります。以下に記事から一部を引用います。
(前略)
大統領室関係者は会議後のブリーフィングを通じて「国務会議で公共機関を強力に革新しなければならないという結論が出た」とし「ひと言でまとめれば『公共機関パーティーは終わった』という状況になった」と伝えた。該当関係者は「秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官が公共機関の改革について発議し、国務委員が討論をした」とし「秋副首相が『公共機関パーティーは終わった』と言及した」と話した。
(後略)
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官が「公共機関のパーティーは終わった」と発言したとのこと。
実は、直近5年間、つまりは文在寅大統領の時代に、
人員:11万6,000人増加
負債:84兆ウォン増加
という惨憺たる結果となっています。
そもそも文在寅という人は「国が雇用を作る」などという、経済の常識とま真逆の政策を推し進めて大失敗しました。公務員が激増したのも文政権のせいです。
ただでさえ大変な公務員年金をこの先どうするんだ、といったことについては一顧だにしませんでした。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領、また新政権は、文政権が間違ったことを修正することから始めなければいけないのです。公的機関の改革もその一環というわけです。
全くもって「愚かな大将をいただくと大変なことになる」という見本のような話です。
(吉田ハンチング@dcp)