「VWAP」は「Volume Weighted Average Price」の略で、日本語では「売買高加重平均価格」あるいは「出来高加重平均」と訳され、取引されている株式の売買高の加重平均を示す値です。
VWAP = 当日累計売買代金 ÷ 当日累積出来高(株数)
で求めます。
例えば、100円で1万株、110円で1万株の取引があった株式銘柄の場合、
当日累計売買代金 = 100円×1万株 + 110円×1万株 = 210万円
当日累計出来高 = 1万株 + 1万株 = 2万株
ですから、
VWAP = 210万円 ÷ 2万株 = 105円
となります。
VWAPは「高値掴み」を防ぐ目安になる
このVWAPが何の役に立つかといいますと、例えばデイトレードで高値掴みを防ぐために使うことができます。
下は2019年07月12日(金)のソニーの株価のチャート(1分足/チャートは『カブッドコム証券』「kabuステーション」より引用)を切り出したものですが、オレンジの線がVWAPを示しています。
VWAPは出来高の加重平均ですから、
・オレンジの線より下の価格で購入した場合:(加重)平均株価よりも割安で購入
・オレンジの線より上の価格で購入した場合:(加重)平均株価よりも割高で購入
ということになります。
VWAPの値を知ることで(デイトレードであれば)その日の(加重)平均株価が分かり、VWAPの示す値で株式を購入すれば、少なくともその日の高値掴みを避けることができるわけです。ただし、株価の推移と共にVWAPも上下しますので、その点には注意しなければなりません。
VWAPと株価の推移
VWAPのラインよりも「上で株価が推移する」、「下で株価が推移する」ことが何を意味するか理解することも大事です。
VWAPは加重平均株価ですから、そのラインよりも上で株価が推移しているということは、「(出来高ベースの)平均以上の人が含み益を得ている状態」で、そのラインよりも下で株価が推移しているということは、「(出来高ベースの)平均以上の人が含み損を抱えている状態」ということです。
つまり一般的には、VWAPを上回って株価が推移しているときは、VWAPまで株価が下がると買いが入りやすく、VWAPを下回って株価が推移しているときは、VWAPまで株価が上がると売りが入りやすいということになります。
株価が高値推移のときは「買いたい」という人がVWAP近辺まで下がったことで買いエントリーをし、安値推移のときは「売りたい」という人がVWAP近辺まで上がったことで含み損解消のため売りに走ると考えられるからです。ただし、これもあくまでも一般論であって必ずそうなるとは限りません。ご注意ください。
(柏ケミカル@dcp)