2021年07月27日、『韓国銀行』は2021年第2四半期のGDP速報値を公表しました。韓国メディアでは「本年の成長率4%の見通しを堅持」といった惹句が踊っているかもしれませんが、さあ本当にそこまで堅いだろうか、という件をご紹介します。
以下が『韓国銀行』の公表したプレスリリースです。
2021年第2四半期
GDP対前年同期比:0.7%増加
「第1四半期:1.7%」でした。第2四半期は0.7%と一応プラスで回ったので『韓国銀行』は年間4.0%の成長も可能という態度を崩していません。
今回プラスになったのは民間消費が大きく伸びたからです。以下の民間消費の増減率の推移をご覧ください。
⇒データ引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年第2四半期の実質国内総生産(速報)」
上記URL『韓国銀行』の資料を基にグラフ化しました。
全体消費が娯楽・文化、食べ物・宿泊などのサービス消費が全て増え、「3.5%」の上昇となりました。この伸びは、2009年の第2四半期以来最大の伸びです。
また、これを上回る伸び率を示したものがあります。政府支出です。政府支出はなんと「3.9%」も増加しました。これは、例の補正予算を組んでじゃぶじゃぶお金まいた結果です。
実は第3四半期こそが正念場です
さて、実はここからが本題です。韓国政府は「2021年に4%の成長」の見通しを堅持しているわけですが、危なくなってきたのでは?と思わされるデータが今回の『韓国銀行』の資料にあるのです。
それは他ならぬ「輸出」の増減率のデータです。韓国は輸出一本で食べている国ですから、これが増加していかないと困ります。同様に公表されたデータから増減率を見てみます。
※データ引用元は同上
上記URL『韓国銀行』の資料を基にグラフ化しました。
上掲のとおり、2020年第3四半期に「16.3%」と大きく上昇し、5.3%、2.0%と下がり、2021年第2四半期には「-2.0%」となっています。
なんと輸出は減ったのです。純輸出の成長寄与度も「-1.7%」と「第1四半期:0.3%」から下落しました。
韓国は現在感染の第4波に襲われており、消費が萎縮するかもしれない懸念があります。また、輸出が伸び悩むと経済成長に与える影響は大きなものになります。
第3四半期はそれらの要因がどうなるのか、まさに韓国経済の勝負どころになるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)