韓国・株価低迷『サムスン電子』が「3兆ウォンの自社株買い」決定! 追い込まれている

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Money1でもご紹介しているとおり、韓国の国民株『サムスン電子』の下落トレンドが止まりません。

ただし、2024年11月15日(金)はようやく長い陽線が出ました。以下をご覧ください。(チャートは『Investing.com』より引用/日足)。

15日(金)の終値は「5万3,500ウォン」で、前日終値「4万9,900ウォン」から7.2%も上昇しました。

なんとか下落トレンドを止めて反転上昇したいところですが、こればかりは市場が決めることなので、次週以降の値動きに注目したいところです。

何か材料がほしいところですが、2024年11月15日、『サムスン電子』は「自社株買い」を行うという公示を出しました。以下です。


↑黄色のマーカーが「取得金額」です(予定)。赤のマーカー部分が自社株買いを行う目的で「株主価値の向上など」と書かれています。

『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

2024年11月18日~2025年02月17日の期間に、

普通株:5,014万4,628株
優先株: 691万2,036株

と取得します。取得単価は、

普通株:5万3,500ウォン
優先株:4万5,900ウォン

と想定して、取得金額

取得金額
普通株:2兆6,827億3,759万8,000ウォン
優先株:3,172億6,245万2,400ウォン
合計:3兆5万400ウォン

となります。

株価は市場で変動するのでそれによって取得金額も変わります。今回の自社株買いは上掲『ECOS』の公示にあるように「有価証券市場を通じた場内買収」です。

約3兆ウォンを自社株買いに突っ込むつもりです。

なぜ自分で自社の株式を買うのかというと、株価が低迷しているからです。自社株買いを行う目的は「株主価値の向上など」と明記されており、要するに株価対策です。

前日にサムスン電子の株価が4年5ヶ月ぶりに安値をつけたため、株価を支える目的で自社株買いに踏み切ったと見て間違いありません。

『サムスン電子』は、「行くぜ10万電子」だったのですが、「すれすれ5万電子」にまで落ち込んでしまい、要するに株価が半分になったわけです。

また、ポジティブな情報が出ても全然効きません。株価は下落トレンドが続いています。

株主から「株価が上がんねーじゃねーか!」と責められても、ハッキリ言って打つ手がないのです。

そこで「自社株買い」です。

企業が自社株買いを行うと、一般的には株価は上昇します。

そのメカニズムは以下ようなものです。

需給バランスが変わる
自社株買いによって企業が市場で株式を買い集めるため、株式の需給バランスが変動します。買い注文が増えると需要が高まり、株価が上昇する圧力がかかります。

発行株数が減少する
自社株買いで取得した株式は通常「自己株式」として扱われ、企業の総発行株数が事実上減少します。

その結果、1株あたりの利益(EPS)が向上し、株式の価値が相対的に高まるため、投資家の評価が上がり株価が上昇することが多いです。

投資家へのポジティブなメッセージになる
自社株買いは「企業が現在の株価を割安と判断し、将来的な成長に自信を持っている」というポジティブなメッセージとして受け取られます。これは投資家心理に良い影響を与え、株価の上昇を促します。

株主還元の強化
自社株買いは配当と同様に株主への還元策と見なされ、企業が株主を重視していると評価されます。特に成長性や利益が安定している企業で自社株買いが行われると、投資家にとっての投資魅力が高まり、株価に好影響を与えます。

これらの要因により、自社株買いの発表が株価上昇につながることが一般的となっています。

最後の「特に成長性や利益が安定している企業で自社株買いが行われると……」の部分は、先行きが懸念されてきた『サムスン電子』に当てはまるかどうかはちょっと不安ですが、まあ自社株買いの効果が一般にいわれているように表れるかどうかは、市場の判断に任せるしかありません。

ちなみに、『サムスン電子』の発行済株式の枚数は約59.7億株、時価総額は約319.4兆ウォンです(『Bloomberg』2024年11月15日終値時点)。

約3兆ウォンの自社株買いですから、時価総額の約1%を取得することにしたのです。

今回の自社株買いは、『サムスン電子』が追い込まれている証拠――と見ることが可能です。

(吉田ハンチング@dcp)

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