2019年もいよいよ終わりですが、12月の第4週が終わった段階で韓国の通貨「ウォン」の対ドルレートは以下のようになっています(ドルウォンチャートは『Investing.com』より引用/日足:以下同)。
12月12日に大きくウォン高へ動き、その後もウォン高が進行したのですが「1ドル=1,159ウォン」あたりで揉んでいます。およそ「1ドル=1,154ウォン」に「ウォン高のレジスタンスライン」が引けますので、ここで跳ね返り「ウォン安」進行へ回帰する可能性があります。
2018年から2019年へ「ウォン安」はステージを上げてきた
2018年から2019年現在までの「ドルウォン」がどのように推移してきたのか、2年分の日足チャートを見てみましょう。
上掲のように、2018年01月01日から2019年12月27日現在までウォン安は「8.64%」進行しています。これにトレンドラインを引いてみると以下のようになります。
2018年から2019年にかけては、ウォンはドルに対して安値のステージを着実に上げてきたことが分かります。
まず2018年01月頭から06月半ばまでは、ほぼレンジ相場です(上掲チャートでは「レンジ相場①」)。底は日足のローソク足の実体線でおよそ「1ドル=1,054ウォン」、天井はおよそ「1ドル=1,084ウォン」。
2018年06月半ばから急速にウォン安が進行して、その後は年末までずっとレンジ相場になります(上掲チャートでは「レンジ相場②」)。底は日足のローソク足の実体線でおよそ「1ドル=1,107ウォン」、天井はおよそ「1ドル=1,142ウォン」。
2019年は、このレンジ相場が継続する形で始まりました。04月23日まではこのレンジ相場②の中でした。ここまでは同様に、底は日足のローソク足の実体線でおよそ「1ドル=1,107ウォン」、天井はおよそ「1ドル=1,142ウォン」です。
04月24日に長大な陽線が出て急速にウォン安が進行。12月27日までの約8カ月は、上昇・下落ともに強い動きとなり、いびつながらもヘッド&ショルダーの形を作ったように見えます。このヘッド&ショルダーの底は、日足のローソク足の実体線でおよそ「1ドル=1,154ウォン」、天井はおよそ「1ドル=1,218ウォン」です。
つまり、2018年-2019年にかけては
レンジ相場①
レンジ相場②
ヘッド&ショルダー
という3つのステージがあったわけです。
それぞれの底値を確認すると、
レンジ相場①:1ドル=1,054ウォン
レンジ相場②:1ドル=1,107ウォン
ヘッド&ショルダー:1ドル=1,154ウォン
このようにステージを経るごとに、ウォン安が「約50ウォン」ずつ進行しています。株式やFXなどの取引をされる方にはおなじみの「安値の切り上げ」です(ウォンの価値の高安でいえば「高値の切り下げ」になります)。
つまり、2018年から2019年にかけてウォン安はステージを上げて進行してきたということです。そしてこのウォン安傾向はこれからも続く可能性が高いと見ることができます。テクニカル的には、上で触れたレジスタンスラインが今も機能しており、トレンド転換がされた明確なサインがまだないからです。
追記
トレンド転換についてご紹介するつづきの記事を制作しました。以下になります。
(柏ケミカル@dcp)