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Give War a Chance.「戦争にチャンスを与えよ」

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フォーリン・アフェアーズ』に1999年に掲載されたエドワード・ルトワック氏の論文を画期として取り上げた新書が話題になっています。論文のタイトル「戦争にチャンスを与えよ」がなかなか刺激的ですが、その意味するところは、戦争が始まったら最後までやらせないと平和にはならない、ということです。

ある国家と国家が戦争になったら、資源を使い果たし、資金が尽き、人的損耗も限界にまで達し、その結果戦争が終わり……そうならないと「平和」にはならない、という主張なのです。

国連、周辺国、NGOなどの中途半端な介入こそが戦争の終結を阻み、結果として平和がいつまでたっても訪れないという主張です。国連の平和維持軍、NGOなどの難民キャンプの維持などは「戦争を凍結」しているのであって、決して平和をもたらすものではない、と述べています。

確かに、冷戦後の世界の各国での紛争、その推移、またいまだに終わらない情勢などを見ますと、非常に説得力のある意見かもしれません。

ただし、ルトワック氏の「パラドキシカル・ロジック」(逆説的論理)こそ必要、といった論旨には筆者はあまり関心しません。

もし、佐藤大輔御大が生きていらっしゃったら『主砲発射準備よし!』に採られた文章をもう一度読むように言われるでしょう。ルトワック氏がことさらに「パラドキシカル・ロジック」なんて言っていることは、ウォー・シミュレーションゲーム愛好家ならみんな知っていますよ。「全ては相対的なのだ」ということでしょう?

(高橋モータース@dcp)