【送電網が全然足りない韓国】送電網に接続待ち太陽光発電施設が2万4,747箇所の異常。

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Money1でもしつこくご紹介してきましたが、韓国では文在寅時代に雨後の筍のように太陽光発電施設が雨後の筍のごとく乱造されましたが、その多くが送電網に接続されていないという「あんたたちは、何やってんだ」という状況が醸成されました。

現在の発電・送電網状況はこうなっている

文在寅が「クリーンエネルギー政策」に舵を切って、すでに大統領が二代変わっていますが、現状をご紹介します。

この「送電網に接続されない」には――、

❶すでに建設したのに接続待ち
❷事業許可・接続申請を済ませたが系統容量がなく建設を進められない
❸接続済みだが送電能力不足のため出力制御を受ける

――という3つの問題が重なっています。

特に深刻なのが湖南地方(全羅南道・全羅北道など)※です。

※半導体ギガファクトリーを造るぞと李在明(イ・ジェミョン)さんがぶち上げた地域である点を見逃さないでください。

太陽光発電が大量に集中した一方、電力需要の大きい首都圏へ送る送電網の整備が追いつきませんでした。

韓国政府自身が「電力網革新対策」で、湖南では送電網と配電網のボトルネックのため、新規事業は従来の仕組みなら2034年以降まで接続困難な状態だったと認めています。

数字を見るとかなり異常です。

2025年09月時点の韓電資料では、1MW以下だけでも接続待ちが2万4,747箇所、4,195MW=約4.2GWありました。その90.7%に当たる3,806MWは、制度変更前の2024年10月以前に申し込まれた案件でした。

しかも、問題は「未接続」だけではありません。すでに接続されている再エネ発電施設についても、電気を送り切れず「出力制御」(後述)が急増しています。

2026年は08月時点の報道で全国316回の出力制御が行われ、湖南では接続待ち案件が全国の約63%に達していると報じられています。

2026年09月29日、政府が相当思い切った方針転換を発表しました。新しい送電線が完成するまで待つのではなく、

・太陽光を送電網容量以上に「超過接続」させ、混雑時だけ出力制御する
・昼間の余剰電力をESSにためて夜間に送る
・実体のない事業者が押さえている「送電網への接続権」を取り上げる
・長期間進んでいない事業についても接続枠を再配分する
・新規再エネを石炭・LNGより不利に扱っていた接続審査方式を改める

――というものです。

韓国政府が行っている太陽光発電施設の「出力制御」とは?

「출력제어(出力制御)」とは何かをご紹介しないといけません。面倒くさい方は次の小見出しまで飛ばしてください。

「出力制御」というのは、発電できる状態にある発電設備に対して、電力系統の安定を保つため、発電量を意図的に減らしたり、発電を停止させたりする措置です。

韓国の気候エネルギー環境部は、再生可能エネルギーについて、特に電力需要より供給が多くなる時間帯に供給過剰を防ぐために出力を調整する措置と説明しています。

例えば、晴天の昼間に、

太陽光発電 100 ⇒ 電力需要 70

となり、他の発電所を停止・減出力してもなお電気が余ることあります。電力は原則として発電量と消費量を常時一致させる必要があるため、そのままでは周波数などが乱れて電力系統が不安定になります。

そこで『KPX』(電力取引所)などが、

「この太陽光発電所は100%発電せず、50%まで落としてください」
あるいは、
「この時間帯は発電を停止してください」

――などの制御を行います。これが出力制御です。『KPX』の市場運営規則にも、給電指令などによる「出力制御」が明記されています。

重要なのは、「未接続=そもそも送電網に電気を流せない」のに対し、「出力制御=送電網には接続されているが、電力が余る、または送電網の容量・安定性に問題があるため、発電できるのに発電量を抑えられる」という違いです。

韓国の気候エネルギー環境による定義を確認すると――

「出力制御率」は、出力制御した電力量 ÷ 出力制御がなければ発電できたと推定される電力量 ×100で計算されています。

2026年上半期の韓国の再エネ出力制御率について「0.3%」となっています。

平たくいえば、「太陽は照っていて発電できるのに、その電気を受け入れられないので、わざと発電させない」のが太陽光発電の出力制御なわけです。

「接続権」を取り上げるぞ! とにかく電力を拡充しよう!な政府

面白いのは、政府がすでに約9GWもの接続権を進行していない事業から回収しており、さらに湖南だけで2030年までに10GW以上の接続枠を取り戻せると見込んでる――ことです。

ここは重要なポイントです。

「9GWの接続権を回収できた」という事実そのものが、発電事業の計画・許可・系統接続枠の割り当てと、実際の発電設備建設との間に相当大きな乖離があったことを示しているからです。

さらに政府は、従来、許可された再エネ事業が100%予定どおり実現する前提で送電網容量を割り当てていました。

しかし実際の事業実施率は67.2%しかありませんでした。そこで今後はこの実績値を使って送電網に接続する容量を割り当てることにしたのです。

一方で、太陽光発電施設そのものにも特有の問題があります。

政府資料によると、太陽光発電設備ので送電網利用率は約15%にすぎません。

100MWの太陽光発電施設を接続したからといって常時100MW流れるわけではないため、従来の「定格出力を基準に接続枠を確保する」方式では送電網を非常に非効率に使います。

このため、ピーク時の出力制御を条件として接続量を増やす方向へ変更する――としました。

要するに、送電線が完成するまで何年も待たせるくらいなら、とりあえず多めに接続させよう(これが「超過接続」)。ただし送電線が満杯になる時間だけは発電を抑えてもらおう」という解決策を採ろうとしているわけです

『韓国電力公社』自身も以前から、「再生可能エネルギーの増加速度に対して電力網の拡充が遅れている」ことを公式に認めています。これはMoney1でもご紹介してきたとおりです。

この問題を改めて整理するなら、

「太陽光発電設備だけを急速に増やしたが、それを受け入れる配電線・変電所・地域間送電線・電力貯蔵用のESS・電力網の制御能力を同じ速度で整備しなかった」

――というのが問題の核心です。

しかも興味深いことに、韓国政府はこの問題を解消して縮小するのではなく、2030年までに再エネ100GW以上を系統に受け入れる方針を改めて打ち出しました。

現在119GWとしている送電系統上の再エネ受入可能量を、制度変更などによって最大171GWまで引き上げる構想です。

毎度おなじみですが、「できるかな?」なのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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