世界最大の資産運用会社『ブラックロック』が、韓国企業『ヘリックスミス』(Helixmith)の株式を購入して「70%の損切り」の憂き目に遭って大損した、という情報が出ました。
「100万株超」まで株式を保有したが損切り!
『ブラックロック』(BlackRock)は1988年にアメリカ合衆国ニューヨークで設立された資産運用会社で、同社のサイトによれば2020年06月末時点で「7.32兆ドル」(約789兆円:換算レート「107.885円」)の運用残高を有しています。
同社が資金を投じた『ヘリックスミス』は韓国の新薬開発企業です。『ヘリックスミス』は韓国の新興企業向け株式市場である『KOSDAQ』(コスダック)で一時時価総額トップ3に入るほど人気銘柄でした。
新型コロナウイルス騒動があって、製薬バイオ産業が注目され、『ブラックロック』は03月には『ヘリックスミス』の株式を5.08%保有する二大株主の一つにまでなり、保有株式数は100万株超までいきました。
しかし、『ブラックロック』は09月初め「最大70%の損失を抱えたままで保有株式のほとんど全てを売却した」のです。
最大買い取り価格「24万ウォン」だったので大損した
以下はコスダックに上場した『ヘリックスミス』の株価チャートです(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
チャートは日足ですので、ローソク足1本が1日の値動きを示します。
なぜ『ブラックロック』がそんなヒドイ目に遭ったかというと、まず株式の取得金額が問題です。
「最大取得金額24万ウォン」と報じられていますので、2018年の初旬、『ヘリックスミス』の株価が天井圏にあるときに取得しています。
完全な高値づかみです。有望な新薬開発会社に見えたのでしょう。
しかし、2019年09月になって新薬の臨床試験に失敗!となって株価は墜落。
コロナ騒動で株価はさらに下落し、この底の辺りで保有株式が100万株を超えました。それからも我慢したのですが、ついに2020年09月、諦(あきら)めて損切りを行わざるを得なくなった……と。
株価はさらに墜落!その前には逃げられた
しかし、不幸中の幸いといいますか、『ブラックロック』が逃げた後(と思われますが)、以下のチャートをご覧ください。同じ日足チャートですが直近の部分を拡大したものです。
2020年09月18日に、『ヘリックスミス』が有償増資を発表し、これによって株価はさらに墜落しました。要は資金調達しないとならない状況に追い込まれているわけで、しかも株価が薄まって下がるからです。
というわけで、世界最大の資産運用会社は韓国の新薬開発会社に投資して大打撃を被ったわけです。投資前の調査が甘かったということはないのでしょうか。
『ブラックロック』に痛撃を与えた韓国企業『ヘリックスミス』の先行きにも要注目です。読者の皆さんにはぜひ名前だけでも覚えて帰っていただけたら……と存じます。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「世界最大の運用会社ブラックロック、コスダックで涙の70%損切り」
(吉田ハンチング@dcp)