おススメ記事

韓国「あの外平債」CDSの件で自画自賛!外貨建て債券「175億ドル」発行済

広告

2021年05月06日、韓国の企画財政部から自画自賛のプレスリリースが出ました。


↑「企画財政部」が出したプレスリリース

韓国政府の発行する「外国為替平衡基金債券」(略称「外平債」)5年物の「CDS」プレミアムが19bp(ベーシスポイント:1bp=1毛)と2008年以降で過去最低を記録

これは韓国の対外的な信用が高いことを示している

という内容です。韓国政府が自らの経済運営を「エッヘン。すごいでしょ」と誇っているわけです。

「外平債」とは何か?

ご存じの方はこの段落を飛ばしてください。

あの「外平債」についての話です。ご存じない方のため念のために説明いたしますが、外平債は「為替市場に介入する資金を作るために発行する債券」です。

債券ですのでもちろん借金で、定期的に利子を支払い、満期が来たら元本を返済します。

集めたお金が為替介入用というだけで基本的な借金の構造は普通の国債と同じです(ですので現在は一般国債と同じ扱いです:名称は残っていて金額なども別にカウントされています)。

外平債を発行して調達したお金は、「外国為替平衡基金」に入って為替介入のためにプールされます。ちなみに外平債を発行して調達した外貨は、外貨準備に組み入れられます。このことは『韓国銀行』のプレスリリースから分かっています。

「CDS」とは何か?

これもご存じの方は飛ばしてください。

「CDS(シーディーエス)」とは「Credit Default Swap(クレジット・デフォルト・スワップ)」の略です。至極簡単にいえば、一種の保険のようなものです。

債券がデフォルトしたら元本が帰ってこないという事態になるかもしれません。投資家はこの点がいつも不安でしょう。

そこで、「元本・利息を受け取る権利」を保護しませんか?という保険のような商売が登場します。つまり、保険料(プレミアム)を追加で支払えば、元本利息を受け取る権利を保護します(プロテクション)というデリバティブ(金融派生商品)です。

プレミアムを支払ってでも損失を避けたいという投資家は「プロテクション」を購入するでしょう。面白いのは、「プロテクションの売り手」は、その債券がデフォルトしなければ、買い手が支払うプレミアムがそのまま丸もうけになることです。

事故が起こらなければ保険料まるもうけの保険屋の商売と似ていますね。

で、これまた保険屋の商売と同じで、事故を起こしやすい、つまりデフォルトしやすいと考えられる債券についてはプレミアムが高くなるのです。ゴールド免許を持っている人の保険料が安くなり、毎年事故・違反を行っている人の保険料が高くなるのと同じです。

韓国の外平債はリスクが低いのだ!と誇っている

というわけで、韓国の企画財政部は、韓国政府の発行する外平債5年物のCDSプレミアムが「19bp」と、リーマンショック以来で最低に抑えられているのは、韓国政府がデフォルトを起こさないと信頼されているからだ――とプレスリリースを出したのです。

確かに、CDSプレミアムは上記のとおり信頼性が高いほど低くなります。

そこはまあ喜んでもいいかもしれません。しかし、外平債という奇怪な債券をまだ発行しているのかという件については突っ込んでもいいでしょう。なぜそんなに外貨を調達しなければならないのかが疑問です。

外貨準備が4,523億ドルもあるのなら。

外貨建て債券の発行金額は04月までで「175億ドル」!

また、このリリースには他に注目ポイントがあります。韓国の金融機関・企業の「外貨建て債券」の発行規模がまとめられているのです。

2019年:256億ドル(約2兆7,976億円)
2020年:238億ドル(約2兆6,009円)
2021年01-04月:175億ドル(約1兆9,124億円)

2020年はコロナ禍の中、外貨建て債券の発行額はむしろ前年2019年より減少しています。経済的なピンチでしたが、前年よりも外貨を借りられなかったことが分かります。

また、2021年はまだ4カ月が終わっただけなのにすでに176億ドルと「2020年の73.5%」まで外貨を調達しています。この外貨調達の勢いはなんでしょうか。

(柏ケミカル@dcp)

広告