韓国はなんにでも「K」を付けたがる国ですが、(よせばいいのに)今度は「K-半導体戦略」です。
2021年05月13日、文在寅大統領は『サムスン電子』半導体向上を視察して「K-半導体戦略」なるものを発表しました。
今後10年間で韓国企業が510兆ウォン(約49.5兆円)以上を半導体に投資し、政府が施設投資と税額控除の拡大など、強力なインセンティブを提供する
この発表に合わせて、さっそく韓国の企画税制部はR&Dに適用される税額控除についてのプレスリリースを出しました(以下)。
税額控除などを盛り込んだ税制改革法案は順次国会に提出されるとのこと(なので可決が前提)。
この「K-半導体戦略」の目標は『サムスン電子』『SKハイニックス』などの大企業の大規模投資を背景に、産業通商資源部長官が民間企業の投資を後押しして、
というビッグな企画とのこと。
注目は、
韓国企業が510兆ウォン(約49.5兆円)以上を半導体に投資し……
という点。要するに「お前ら企業は510兆ウォン出せ」という話なのです。
先にご紹介したとおり、『サムスン電子』はアメリカ合衆国に新工場を造ろうと現地州政府と交渉していますし、(よせばいいのに)『SKハイニックス』は中国の半導体工場を拡張しようとしています。
これらの上に韓国にも投資しろというのです。つまり、大企業の財布をあてにした虫のいい計画です。企業からすれば「どの国に投資するかはこっちで決めるわ」と言いたいでしょう。
また、地政学的にも無茶苦茶です。北朝鮮から通常火力で首都が射程圏内にあり、中国経済に飲み込まれる可能性があるような国に、世界最大の半導体生産拠点など造れるものでしょうか。
世界経済を混乱に陥れるという目的ならいいかもしれませんが、無茶苦茶な戦略目標です。そんな無謀な話をアメリカ合衆国が許すでしょうか(だから台湾『TSMC』も中国から遠い合衆国本土に工場を造る/造らされる)。韓国の大統領は自国の世界における立ち位置がよく分かっていないのです。
こんなトップのいる国から大企業が逃げ出すのは当然のことではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)