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韓国大統領選挙では平気でウソが飛び交う。韓国は中世の暗黒時代なのか

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韓国では尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長さんについての疑惑で大騒ぎになっています。

韓国の次期大統領選挙に向けて韓国内もヒートアップしてきました。韓国では毎度のことながら真実かどうか分からない情報が飛びかうようになっています。

鈴置高史(すずおき たかぶみ)先生の至言「大統領選挙は誰が監獄に入らないかというゲーム」のとおり、韓国では大統領選挙の際には生存を懸けてありとあらゆる手が使われます。

特に、現在政府与党『共に民主党』は、保守派に政権を取られた場合、鈴置先生の言葉どおり高位公職者から逮捕者が出るかもしれません。そうならないために露骨に野党『国民の力』に攻撃を加えています。

特に、『国民の力』に入党し、国民からの人気も高い尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長をなんとしても貶めたいという動きは非常に露骨です。

もし尹さんが大統領になったら自分たちが危ないからです。

無理矢理な捜査が開始されている

2021年09月10日、文政権下で新たにできた高位公職者犯罪捜査処(通常の検察組織とは別にわざわざ創設した)は、『国民の力』のキム・ウン議員の国会議員事務所に捜査に入りました。

これは「尹さんに対する疑惑を立証する証拠をキム議員が持っているのでは?」として行われた捜査です。

2020年04月、まだ在任中だった尹検察総長が、自身や自分の家族を非難した与党議員10名ほどの告発状を作成し、これを野党議員に持ち込んだというのです。

「事実なら一種のクーデターだ」と政府与党『共に民主党』は大騒ぎしており、これでもって尹さんの大統領就任を阻もうとしています。

高位公職者犯罪捜査処は、尹さんに以下の4つの嫌疑をかけて捜査に乗り出しています。

職権濫用
権利行使妨害
公務上機密漏洩
個人情報保護法違反

尹さん、また『国民の力』は明らかに不法な捜査であると反発しています。また、このような野党候補に対する露骨な圧力は韓国憲政史上の汚点であると指摘しています。

実際、作成されたとされるその「告発状」は、検察総長の目から見て極めて杜撰(ずさん)なもので、尹さんは記者会見を開いて「告発状について10のおかしな点」を指摘しています。また、当時の検事総長の部下も「状況からいってあり得ない」と否定しています。

真偽不明の情報が飛び交うのは日常茶飯事

韓国の大統領選挙では得てしてこのような本当かうそか分からない話が飛び交います。しかも、うそと分かったときにはもう遅いのです。

日本ではあまり報じられませんでしたが、前朴槿恵(パク・クネ)大統領が政権から引きずり下ろされた際にも、まことしやかに次のような「報道」がありました。

韓国のテレビ局『JTBC』は崔順実(チェ・スンシル)さんが朴大統領を裏で操っていた証拠として、朴大統領がドレスデンで行った演説(いわゆる「ドレスデン演説」)を校正した文書の入ったタブレットを入手した――と「スクープ」を飛ばしたのです。

このスクープによって世論は、「崔さんが操る朴大統領」という構図を信じる方向に一気に傾きました。

ところが、このスクープが全くの誤報、「でっちあげ」だったのです。

長くなるので詳細は省きますが、『JTBC』が入手したというタブレットPCから崔さんが朴大統領に指南を行っていたという文書などはなく、2017年09月、このタブレットPCを調査した検察は、「端末には意味のある内容は何もない」という意見書を裁判所に提出しているぐらいです。

現在では『JTBC』がそもそも本当に崔さんのタブレットPCを入手したのかさえ疑われています。

「朴槿恵大統領公正裁判のための法律支援団」が検察の調査報告書を分析した結果、「別人名義のタブレットPCだった」「2013年01月から2016年10月までネットに接続された形跡はなかった」という驚くべき結果が分かっています。

つまり、証拠になるようなものではありませんでした。

しかし、1年後にそんなことが分かっても、朴大統領はすでに大統領から引きずり下ろされ、2017年03月31日には逮捕されていました。

ウソで敗訴したのに「立法で覆してやる!」と豪語する与党議員

朴槿恵大統領を引きずり下ろすのに効果があったウソに、「父親である朴正熙(パク・チョンヒ)大統領から朴槿恵さんが数百兆ウォンという莫大な財産を隠して受け取っており、それを崔さんが管理している」というものがあります。

「どこにそんなお金があるんだ」というバカな話ですが、これを流したのは現政府与党『共に民主党』の安敏錫(アン・ミンソク)という議員です。

このウソは広く流布され、崔さんを非難し、朴大統領を弾劾する世論を醸成するのに一役買いました。

崔さんは獄中からウソを流布した安議員に損害賠償請求の訴訟を起こしました。

で、2021年09月10日、この裁判の判決が出たのですが、(当然のことながら)安議員に1億ウォン(約940万円)の支払を命じるというものでした。

ところが、この安議員は「崔順実一家の金の出どころを明らかにするには、1970年代までさかのぼって調査する特別法が必要だ」と述べたのです。

つまり、自分のウソを認めるのではなく、自分を守る法律を上程するとしたのです。

呆れてものも言えませんが、この発言に現政府与党がどのような人間で構成されているのかが如実に表れています。

司法の判断に従わないのです。また司法の判断を覆すために「法律を作る」などとうそぶく人間なのです。

韓国はもはや三権分立がある法治国家とはいえません。政府与党『共に民主党』、また文在寅という人物をトップに据えたことで中世に逆戻りしたといってもいいぐらいです。
 
 
ことほどさように、韓国の大統領に関しては真実かウソか分からない情報が飛び交うのです。しかも、メディアが率先して(後ででっち上げと分かるような)スクープを飛ばしたりします。

これも大統領が誰になるかで我が身が危うくなる者が多いからでしょう。今回の尹さんに対する圧力もこのような文脈で語ることが可能です。

(吉田ハンチング@dcp)

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