2022年04月15日、韓国政府が「『CPTPP』加盟を推進する」と議決しました。
ようやく政府として公式に加盟申請を行うことを決めたわけですが、これに対して、さっそく農業に携わる方々から抗議の声が上がっています。
『韓国農村経済研究院』(略称「KREI」)は、『CPTPP』加盟で韓国の農林畜産業が受ける被害の金額を、加盟15年間、年間最低で853億ウォン(約85.3億円)、最大で4,400億ウォン(約440億円)と試算した、とのこと。
韓国政府はこの結果を元にしてその程度だ、と国内を説得しようとしているのです。
本件を報じた『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用してみます。
(前略)
『CPTPP』加盟で市場を開放すれば、韓国農林畜産業は被害を受ける可能性がある。特に既存の『CPTPP』加盟国は濃縮産物輸出強国である一方、後発走者である私たちは濃縮産物追加開放で遅れた加盟費を払う可能性が高い。
『韓国農村経済研究院』(KREI)は15年間、農林畜産業で年間最低853億から最大4,400億ウォンの被害が発生すると予想した。
(後略)
韓国は後発の農業国なので大きな被害を受ける可能性があると懸念を表明しています。
この試算がどこまで正しいのか、根拠が不明なので判断がつきかねるのですが、例によって科学的な根拠に基づかない懸念も表明しています。
『韓国総合農業団体協議会』(韓総協)の主張です。
(前略)
3.これに関連して最近、政府はCPTPP加入時の国内農林畜産業分野の生産減少額が今後15年間で年間平均最大4,400億ウォンに過ぎないと予想している。しかし、これはSPS(動植物衛生・検疫)の影響、間接被害、中国の加盟などを考慮していない単純な結果に過ぎず、被害規模を意図的に縮小したのではないかという疑問さえある。
実際、世界的な農業強大国であり、地理的に隣接する中国が加盟申請書を提出しただけに被害規模は雪だるま式に膨れあがるだろう。
ここに交渉条件で、日本側で原発汚染の可能性が大きい福島産農食品の輸入を要求すると見られ、国民食卓も深刻に脅かされる。
(後略)
中国はどうせ加盟できないので、韓国が心配するだけ無駄なのですが、上掲のとおり科学的根拠に基づかない「福島県産の農産物」に対する主張を行っています。
これを看過することはできません。
加盟申請が来ることは決まりましたので、日本政府は福島県に対する根拠なき主張を撤回するよう韓国にはっきりと言わなければなりません。
※『CPTPP』はComprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnershipの略。アジア太平洋地域における経済連携協定。
(吉田ハンチング@dcp)