最近ドタバタしている韓国の金融監督院から面白いデータが出ました。
↑韓国金融監督院といえばこの方。目がイってるでおなじみの李卜鉉(イ・ボクヒョン)院長。これは香港で開催された「投資家向け説明会」の際のワンカット。
2024年第3四半期時点で、国内施工能力評価トップ10の建設会社のうち、
工事未収金
分譲未収金
売上債権
など「未収金」の項目を明らかにした計9社の「未収金合計」は17兆6,370億ウォンに達しています。
これは2023年末時点での「16兆9,336億ウォン」より4.2%多い金額です。
売上未収金というのは、企業が提供した商品やサービスの代金が、期日までに回収できていない金額のことです。
つまり、すでに売上として計上されたものの、顧客からまだ支払われていない債権のことです。当たり前ですが、売上として計上されたとしても、実際にお金が入ってこなけれ話になりません。キャッシュフローが回らなくなる可能性があります。
最も未収金が多いのは『現代建設』です。
未収金額は「4兆9,099億ウォン」になっており、2023年末時点「3兆3,233億ウォン」より47.7%も増えました。
くどいですが、これは2024年第3四半期時点でのデータです。2023年末時点より約1.5倍になったのです。
同様に比較すると、
『大宇建設』:+36.6%
『現代エンジニアリング』:+22.0%
『ポスコE&C』:+11.6%
『ロッテ建設』:+8.5%
未収金が拡大せず、減少した会社もあります。
『SKエコプラント』:-59.5%
『サムスン物産』:-30.2%
『HDC現代産業開発』:-19.2%
ただし、前期のとおり韓国最大手建設会社9社の全体では4.2%増加しています。
韓国メディア『毎日経済』の記事によれば――、
「建設会社は、未収金が直ちに大きな問題になることはないとの立場だ。
未収金の多くが受け取ることが契約された金額であり、工事受注の実績が多いほど未収金も増加する構造だと説明した。
未収金も売上規模に対しては適正な水準だと付け加えた。
――となっています。「受け取ることが契約された金額」でも「入ってこないことがある」から問題なわけです。
商売を自分の手で行ったことがある人は骨身に染みてご存じですが、「お金を回収する」というのは、とても大変なことなのです。
実際、韓国では建設業が大変な不況となっています。未収金が増加するというのは決して安心できる話ではないと思われるのですが。
(吉田ハンチング@dcp)