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信用取引とはナニか その02「制度信用取引と一般信用取引」

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前回に続いて信用取引についての説明です。信用取引では、自分の持っている資金以上の取引を行うことができ、また空売という「その株式を持ってなくても、借りてきて売り、後で買う」という特殊な取引が可能です。

ただし、ないお金、持ってない株式を取引するわけですから、お金を借りた分の金利、株を借りた分の「貸し株手数料」が発生し、その分を余計に支払わなくてはなりません。

この信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2つがあります。

信用取引で「買い玉を建てる」(信用買い)場合でも、「売り玉を建てる」(信用売り)場合でも、まず「制度信用」と「一般信用」のどちらかを選択しなければなりません。

例えば、佐藤ボイラー(バカ)が使っている株ドッコム証券の注文画面では、下のようになっています。

「信用取引」から「新規建玉」を選択し、信用取引で売買する銘柄(この場合は任天堂)を選ぶとこのような画面になります。「取引区分」のところに、

●制度信用【弁済期限:6カ月】
●一般信用【弁済期間:最長3カ年】

とありますが、このどちらかにチェックマークを入れて選択するのです。

■制度信用取引と一般信用取引ではどっちが有利!?

「制度信用取引」「一般信用取引」の違いは以下のようになります。証券会社によってもルール、また表記が違っていますので、ここでは佐藤ボイラー(バカ)の使っている株ドットコム証券のものを引用して、比較してみましょう。

まず「信用買い」の場合です。

●買建

制度信用取引は、「証券取引所」が制度信用銘柄選定基準を満たしていると判断した銘柄のみを対象とする信用取引です。トレーダーは証券会社を仲介して証券取引所と取り引きしているのです。トレーダーが支払う金利などは最終的に証券取引所に払うのです。

これに対して、一般信用取引はあくまでもトレーダーと証券会社との間で完結する信用取引です。従って、この例では株ドットコム証券が指定した銘柄が売買の対象となりますし、金利などは株ドッコム証券に支払っているのです。

取り引できる銘柄は、制度信用取引と一般信用取引では違っていますし、また金利も全然違います。制度信用取引というフォーマットがあって、それに各証券会社が独自の銘柄・金利を付け加えており、それが一般信用取引と考えれば良いでしょう。

次に「信用売り」の場合です。

●売建

株ドットコム証券では、「一般信用取引」の「信用買い」の中に、「長期」の場合と「短期」(株ドットコム証券では「売短」と名付けています)のケースを設けています。それぞれ株を借りた場合の「貸し株」の利率、返済までに許された期間が異なっています。

■共通ルールにも注意!

「信用買い」「信用売り」共通のルールとして、株ドットコム証券では以下のようなものを挙げています。

●事務管理費(税抜き)
建玉の約定日から1カ月経過するごとに1株あたり10銭(単元株制度の適用を受けない銘柄については1株あたり100円)。100円に満たない場合は100円、上限は1,000円。

●注文方法
成行/指値/寄付/引け/不出来引け成行/IOC成行/IOC指値/逆指値/トレーリングストップ/±指値/W指値/Uターン注文/リレー注文/成行残数指値/成行残数取消/バスケット注文(kabuステーション®)

●建玉上限
10億円-100億円(審査により建玉上限を変更することが可能です)

●1注文あたり取引上限額
原則、新規建注文は建玉上限金額かつ建玉余力の範囲内、決済注文は建玉残高の範囲内。ただし、1注文あたり10億円がソフトリミットに設定されています。

●最低保証金額
両取引の保証金を合算して30万円

●委託保証金率
両取引の建玉を合算して30%

●最低保証金維持率
両取引の建玉を合算して25%

●代用掛目
80%

この共通ルールで注目しないといけないのは、「●最低保証金額が両取引の保証金を合算して30万円」という点です。つまり、信用買いであろうが、信用売りであろうが、信用取引をしたいのであれば「最低30万円が口座にないとできない」ということです。

また「委託保証金率が両取引の建玉を合算して30%」とあるので、信用買いであろうが、信用売りであろうが、30%の資金があればその取引を行うことができる、という意味です。例えば、額面1,000円の株式を800株買いたい(あるいは売りたい)したいとします。

1,000円 × 800株 = 80万円

で本来であれば80万円が必要です。しかし「委託保証金率」が30%ですので、

80万円 × 30% = 24万円

ですから「24万円でこの買い(あるいは売り)玉」を建てることができます。ただし、上記の「最低でも30万円ないと駄目よ」というルールがありますので、口座に24万円しかない場合には玉を建てることはできません。最低保証金額の30万円あればこの「80万円の玉」を建てることはできます。

また「委託保証金維持率」というのは、信用の元になる「担保」、つまり委託保証金を残しておいてほしい、その率を示しています。これが25%を切るようなことになると、「その分の委託保証金を口座に入れてください」となります。これがいわゆる「追い証」といわれるものです。

複数の信用取引を行い建て玉が複雑になってくると「最低保証金維持率」がややこしいことになってきます。間違っても「追い証を要求される」なんてことにならないように十分注意しなければなりません。

記事が長くなってしまいました。信用取引の場合には「リスク」について十分気を付けなければなりません。初心者トレーダーにとっては重要なポイントですので、次回も信用取引の話を続けます。

『株ドッコム証券』公式サイト「信用取引(制度・一般) 取引ルール」

(吉田ハンチング@dcp)