株取引をする上で覚えておくべき用語は数多くあります。今回は、株取引に関する掲示板でもよく見る「レバレッジ」の意味をご紹介します。
■大きな利益につながる可能性のある「レバレッジ」
FX(外国為替証拠金取引)や株式取引では、取引会社に「保証金」を預けることで保証金の数倍の金額を借り入れることができ、この借り入れ金を使って取引できます。こうした「借入金(他人資本)を利用して自己資本を増やすこと(または増やせる可能性を高めること)」をレバレッジといいます。
もともとレバレッジ(leverage)は「てこの作用」という意味の言葉です。小学生のときに支点・力点・作用点という言葉とともに習ったことでしょう。てこの作用を用いることで「少ない力で大きなものを動かすこと」ができます。金融におけるレバレッジも同様に「少ない金額(証拠金)で大きな金額(借り入れて)を動かせる」のです。
■レバレッジを利用する場合の保証金は?
レバレッジを利用するには、上述のように保証金を預ける必要があります。ただし、FXと株式取引でその内容は異なります。以下にそれぞれのレバレッジの特徴を挙げてみました。
●FXの場合
FXでのレバレッジは業者によって倍率が異なります。例えば国内業者の場合は倍率は2倍~最大25倍となっていますが、海外の業者では1,000倍のところもあります。また、どのくらいの証拠金が必要になるのかは通貨ペア(交換する2国の通貨)によって異なり、個人取引の場合は最低でも3~4万円が必要です。また証拠金の金額が高いほど、2倍など少ない倍率のレバレッジが選べるようになるのも特徴です。
●株式取引の場合
株式取引では保証金、または預けている有価証券の最大3.3倍の取引ができます。つまり、保証金が50万円だと最大165万円までの取引が可能になるのです。また、保証金の金額は「取引代金の30%以上かつ委託保証金30万円以上」と定められています。この「最低限必要な保証金の割合」を「委託保証金率」といいます。例えば50万円の信用取引をしたい場合、取引代金の30%だと15万円になりますが、委託保証金30万円以上でないといけないため、最低でも30万円の保証金を預けないといけません。
このようにFXと株式取引でレバレッジの特徴が異なることを覚えておきましょう。
■追証について知っておこう
レバレッジを利用する際に「追証(追加証拠金)」が発生することがあります。
追証というのは、保証金が規定金額・割合を下回った場合に必要となる「不足金」です。例えば、取引している銘柄が値下がりして、必要な証拠金の金額や委託保証金率を下回ったとします。そうすると、レバレッジができなくなり銘柄の保有や取引ができなくなってしまうのです。その場合、追証を
納めて必要な証拠金の金額や委託保証金率を維持しないといけません。
追証が解消されないと、強制的に決済が行われます。決済してもお金が足りない場合も、当然ですが不足金を納めないといけません。レバレッジは最低30万円あれば利用可能です。しかし追証が発生した場合も考え、それに対処できるお金を別に用意しておくことも必要なのです。
とはいえ、レバレッジは大きな勝負に出たい場合は非常に有用なもの。これからFXや株式取引を始めようと考えている人はぜひ覚えておくといいですね。
(中田ボンベ/dcp)