合衆国、メキシコ、カナダが合意した「USMCA」(United States-Mexico-Canada Agreement の略:合衆国・メキシコ・カナダ協定)が早くも「毒薬入り」として物議を醸しています。毒薬(poison pill)、「毒薬条項」と呼ばれているのは、中国との自由貿易協定を阻止する「第32条10項」のためです。
この条項は「中国と貿易を行っている第三国」経由でアメリカが不利益を被らないように設けられています。中国による知的財産権の侵害などを抑止するため、裏道をふさいでおこうというわけです。
ロイターの報道によれば、合衆国のロス商務長官(Wilbur Louis Ross, Jr.)はこの「毒薬」をEU、日本にも飲んでもらいたいと考えているようです。ただ、どの国とどんな貿易協定を結ぶかはその国の自由のはずです。例えばEUからは「内政干渉も甚だしい」というような反発が起こる可能性もあります。中国による知的財産権の強奪といった商慣習を改めさせるためですが、どこまで合衆国と歩調を合わせられるかは、メリット・デメリットを考慮した上での判断になるでしょう。
⇒参照記事:『ロイター』「中国との貿易協定阻止、日欧にも条項盛り込む可能性=米商務長官」
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-ross-idJPKCN1MF2OD
(柏ケミカル@dcp)