アメリカ合衆国 マイク・ペンス副大統領の中国に対する非難が、中国からの猛反発を招いています。
中国が問題視したのは、香港の情勢について中国の姿勢を批判したこと。もう一つは、NBA(合衆国プロバスケットボール協会)絡みの発言です。
NBAに属する『ヒューストン・ロケッツ』のGM、ダリル・モーリーさんが香港デモを応援するtweetを行ったのですが、これに中国が反発。NBAの放映を見合わせるといった対応が出たため、モーリーGMは謝罪に追い込まれました。
しかし、この弱腰な態度に「人権よりもお金なのか!」と合衆国内外から非難が殺到。ペンス副大統領もNBAと中国を批判したのですが、これに中国が反発したというわけです。
ペンス副大統領は、2018年10月04日ハドソン研究所で「新冷戦」演説を行った人物として知られています。この演説はそれ以降に起こったトランプ政権の中国との対決激化に先んじ、現在の合衆国・中国の緊張関係を予測させるものでした。
日本では麻生財務相がこの演説を取り上げ、合衆国と中国の対決がただの貿易戦争ではないことを警告しました。麻生閣下の慧眼を示すもの(あるいは失言癖を示すもの)といえるでしょう。Money1でも合衆国が中国との正面衝突コースに入ったことをご紹介しました。
これも先に紹介しましたが、ペンス副大統領はそもそも中国では「反中大将」の一人と目されている人物です。そのため余計に反発を招いているものでしょう。
ちなみに中国ではNBAは大人気でシーズン中には5億人が視聴するといわれます。NBAの対応はこの市場を失わないようにとの考えで行われたのですが、合衆国国民に改めて「対中国」を意識させることとなりました。
Photo:Keith JohnstonによるPixabayからの画像
(柏ケミカル@dcp)