2023年08月08日、中国の海関総署が2023年07月の輸出入動向を公表しました。
中国経済がリオープニング効果など得られず、ますます低迷に向かっていることが如実に表れています。以下をご覧ください。
2023年07月
輸出:2,817.6億ドル(-14.5%)
輸入:2,011.6億ドル(-12.4%)
貿易収支(輸出 – 輸入):806.0億ドル2023年01~07月累計
輸出:1兆9,449.0億ドル(-5.0%)
輸入:1兆4,553.4億ドル(-7.6%)
貿易収支(輸出 – 輸入):4,895.7億ドル※( )内は対前年同期比の増減
まずご注目いただきたいのは、07月の輸出金額です。「2,817.6億ドル」で、対前年同期比で「14.5%」も減少しています。
中国経済は、不動産セクター・輸出・内需の3つ首で回って成長してきましたが、ご案内のとおり不動産セクターは総崩れ、内需は弱っています(中国当局は内需は回復してきたと述べてはいます)。本当にリオープニングが達成されるためには、輸出を拡大し貿易で稼ぐしかない状況です。
しかし、輸出は弱体化が明らかになっています。
輸出金額の「対前年同期の増減」の月次推移が以下です。
リオープニングを喧伝していた03・04月の輸出金額は対前年同期比で増加していましたが、05、06、07月と対前年同期比のマイナスが拡大しています。
失速は明らかです。
01~07月累計の輸出金額が対前年同期比で「-5.0%」で済んでいるのは、03・04月のプラス分があったからです。
07月はついに「-14.5%」まできました。中国当局は「統計をごまかす」以外の手を打てるでしょうか。
中国の経済は先行きが一層暗くなってきました。
(吉田ハンチング@dcp)