尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領から「輸出振興に注力せよ」といわれている韓国の企画財政部ですが、2023年08月09日「緊急経済大臣会合 兼 輸出投資対策会」を開催。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官が面白い計画を述べています。
「ペット産業を伸ばそうよ」というのです。
秋長官の発言を拾ってみると以下のような具合です。面倒くさい方は、強調文字などの部分だけご覧ください。
3.ペット関連産業育成対策
次は、ペット関連産業の育成対策です。
最近、ペットを飼育する世帯が大幅に増加※していますが、これらの多様な需要に対応するための産業基盤が脆弱で、医療費などの飼育負担も大きい状況です。
※ペット(イヌ、ネコ)/飼育世帯数(推定) :
2012年:イヌ 556万世帯/ネコ 364万世帯
2022年:イヌ 799万世帯/ネコ 602万世帯これに対し、政府はペット関連産業を積極的に育成し、多様なペットにオーダーメイドの製品・サービスを適正な価格で提供する一方、新しいペット関連産業を積極的に育成する。
サービスを適正な価格で提供する一方、新たな市場を創出し、内需の活性化と輸出拡大に貢献するよう支援する。内需の活性化と輸出拡大に貢献するようにします。
➊まず、
①ペットフード
②ペットサービス
③ペットテック
④ペットヘルスケアなど4つの重点分野を積極的に支援します。
-家畜用飼料と区別される別のペットフードの分類体系を設け、
-ペット行動指導士などペットサービスの専門人材を追加拡充する一方、
-ペットテック分野を農産物先端技術分野とし、
-事業化資金、カスタマイズされたコンサルティング、販路拡大を支援します。➋特に、ペットヘルスケア分野では、医療費負担を緩和するため、外耳炎、膝蓋骨脱臼など、ペットがよく受診する100以上の項目に対する付加価値税を今年10月から免除します。
-また、今年中に動物病院ごとにばらつきが大きい診療項目100項目を標準化し、診療費公開項目も来年まで4項目から20項目以上に拡大する一方、
–さまざまなペット保険商品が発売され、保険の請求も簡単にできるようにします。
➌さらに、ペット関連産業特化団地を造成し、スタートアップの創業と研究開発支援を拡大していきます、
-各部の輸出支援協議体を構成・運営するなど、関連産業が輸出産業に発展するよう積極的に支援します。
まず驚くのは、イヌ・ネコの飼育世帯数が2012年 ⇒ 2022年で、
イヌ:約1.4倍
ネコ:約1.7倍
に増加していることです。2022年時点で、イヌ対ネコの飼育世帯数は「799万世帯:602万世帯」ですから、韓国の場合、まだイヌを飼育する世帯の方が多いのです。
イヌの飼育世帯数は、ネコの飼育世帯数の約1.3倍です。
これを見込んで、ペット産業を育成しようというビッグな企画で、これを輸出産業にまで育てようというのです。
「外耳炎、膝蓋骨脱臼など、ペットがよく受診する100以上の項目に対する付加価値税を今年10月から免除する」という動きの速さにも驚かされます。
これまでの「何を次の主力輸出品に育てるか」会議で、出てくる案といえば「ラーメンと海苔とK-POP」一辺倒でした。
そのため、「ペット産業」というのは新機軸かもしれません。
ただし、(日本も含めて)先進国にはこのジャンルでリードしている企業が山ほどあります。またぞろ「キャッチアップ戦略だ」などと言い出して、先行企業の製品を剽窃しそうなそうな嫌な予感もいたします。
韓国がペット産業に注力すると、日本に流入する韓国産のペットフードなどが増えるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)