2023年02月28日、前文在寅政権での事案を追っている韓国検察は、鄭義溶(チョン・ウィヨン)前外相、盧英敏(ノ・ヨンミン)元大統領秘書室長、徐薫(ソ・フン)元国家情報院長、金錬鉄(キム・ヨンチョル)元統一相の4人を在宅起訴しました。
脱北し、南朝鮮に亡命したいとした船員2人を、北朝鮮に強制送還した事件での対応が問題視されたためです。
韓国は、一応の建て付けでは「朝鮮半島の北部分も韓国の領土」であり、北朝鮮に住む人も韓国民です。
脱北者であるものの国民の調査を一方的に打ち切り、北朝鮮へ強制送還したことは、国民の権利侵害に当たるという見立てです。
李在明(イ・ジェミョン)さんにしろ、文在寅さんにしろ、2人それぞれを探ってみると――なぜか北朝鮮に行き当たるという不思議なことになっています。
北朝鮮工作のキーマンといえば、文在寅政権下で国家情報院(略称「国情院」)の院長だった朴智元(パク・チウォン)さんです。この人は、金大中(キム・デジュン)政権末期に、北朝鮮に4億5,000万ドルを送金した実績があります。
以下の記事でご紹介しましたが、前文政権でも北朝鮮にお金を流すルートを作ったのではないかと見込まれるのですが……。
その朴智元(パク・チウォン)さんが、ラジオ番組に出演して興味深い話をしました。まず以下の発言です。
(前略)
「今、私をはじめとする文在寅政権の外交安保ラインが調査を受け、徐薫(ソ・フン)元室長は拘束され、起訴された。北朝鮮問題は検察の視点で裁定してはならない。これは特殊な事情がある」
なかなか含みのある言い方です。さらに次の発言。
「北送した2人が18人を殺害してきたことを知っているのに、これを受け入れなければならないのか。
私たちは、北朝鮮の犯罪者を全て受け入れなければならないのか」
北朝鮮から逃げてきた2人について、北朝鮮からは「その2人は脱北に当たって18人を殺害した」という情報があったことが分かっています。これが真実かどうかは不明で、それも分からないまま文在寅政権は2人を北朝鮮に送り返しました。
しかし、たとえ18人を殺害したにせよ、一応は「北朝鮮の人間も韓国民」という憲法上の建て付けがあるのですから、韓国の裁判を受けるという権利があるはずです。
朴智元(パク・チウォン)さんの「北朝鮮の人間を全て受け入れなければならないのか?」は反論になっていません。法的な観点からいえば、自国民を(殺害するかもしれない)北のカルト集団の手に委ねたのは問題でしょう。
さらに朴智元(パク・チウォン)さんは以下の発言もしています。
「もっと腹立たしいのは、文在寅政権で一緒に働いた人々が一言も発しないことだ」
「出てきて話さなければならない。そうしないから私が出てきた。文在寅前大統領もひと言言ってほしい」
「今、起訴されても誰も口を開かない。民主党でさえも話さない。これは間違っている」
「文在寅大統領もひと言言わなければならない」
「物言えば唇寒し」なのか、文在寅前大統領は確かに何も語りません。最後は本屋のオヤジになって余生を送り、ガラをかわそうとしているのかもしれませんが、そうは問屋がおろさない――のです。
左派・進歩系の疑惑は、お金にしろ、政治判断にしろ――北朝鮮の影がつきまとっています。朴智元(パク・チウォン)さんは「検察が裁定するな」と言っていますが、検察が法に基づいて調査しなければ、何も分かりません。
何が出るのか乞うご期待です。
(吉田ハンチング@dcp)