「アテになるのか」という議論が常にありますし、あまり気にしない方がいいのですが、韓国企業としては「資金調達」に関わるので注視せざるを得ないのです。
「信用格付け」です。
韓国の半導体輸出を支える『SKハイニックス』の業績が、2022年第4四半期に大きく傾いたことは、Money1でもご紹介しました。
2023年02月03日、世界的信用格付け会社『S&P』は、『SKハイニックス』についての信用格付け報告書を公表。同社の評価見通しを「安定的」から「否定的」に下げました。
現在「BBB-」なので決して良くはありませんが、否定的な見通しが出た(格付けは「BBB-」を維持)ので、ここから格付けが本当に下落すると……国内・外国からの資金調達コストが上がってしまいます。
見通しが否定的になった理由は「メモリ半導体需要が減少する中、顧客とサプライヤーの過剰在庫まで重なり、『SKハイニックス』の信用指標が大きく悪化すると予想する」からです。
『S&P』の予測で面白いのは「営業キャッシュフローで赤字が続くだろう」と読んでいる点です。『S&P』によると「2022年は年間で4兆ウォン以上営業キャッシュフローが赤字だった(はず)」としています。
営業キャッシュフローがマイナスということは、営業活動の(現金)収入だけで支出をカバーできていないということです。つまり、どうにかして資金を調達しなければなりません。
『SKハイニックス』は設備投資を大きく絞るという公表をしていますが、これも支出を抑えてキャッシュフローを良くするためです。ただし、『S&P』は設備投資の縮小について「キャッシュフローの減少分を相殺できるには不十分」と読んでいます。
格付けが落ちると、資金調達コストが上がってしまうので『SKハイニックス』には困った事態です。要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)