2022年07月01日、韓国の産業通商資源部から「06月の輸出入動向」のデータが出ました。
06月20日の時点で、貿易のもうけを示す貿易収支は「-76億4,200万ドル」でした。
そのため、先の記事ではこの水準で通関ベースの貿易収支が赤字になると、国際収支統計の方でも赤転し、経常収支が赤転する可能性がある――と書きました。
結局、06月はどう締まったでしょうか?
最後の10日間は「約52億ドルの黒字」だった! 本当に?
以下が産業通商資源部の発表です。
2022年06月
輸出:577億3,100万ドル(+5.4%)
輸入:602億300万ドル(+15.0%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-24億7,200万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「6月の輸出入の概要」
貿易のもうけを示す貿易収支は「-24億7,200万ドル」まで縮まりました。06月20日時点の先の記事で、「-76億4,200万ドル」なので06月を黒転するのは不可能と書きましたが、これは当たりました。
それにしてもです。06月01~20日時点では以下のようでした。
2022年06月01~20日
輸出:312億8,300万ドル(-3.4%)
輸入:389億2,500万ドル(+21.1%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-76億4,200万ドル※( )内は対前年同期比の増減
「06月20日時点:-76億4,200万ドル」が「06月:-24億7,200万ドル」になったわけですので、06月最後の10日間(06月21~30日)は、
輸出:264億4,800万ドル
輸入:212億7,800万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):+51億7,000万ドル
で回ったことになります。最後の10日間だけで「+51億7,000万ドル」です。
これは本当のことでしょうか。
本当ならば、「-24億7,200万ドル」で済みましたので、これで国際収支統計の貿易収支は黒転します。06月の経常収支が赤転する可能性はなくなりました。
2022年上半期で103億ドルの赤字
これで2022年の上半期の通関ベースの輸出入が締まりました(しばらくしたら確定値が出ますが)。
どうなったかというと……以下です。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「6月の輸出入の概要」
「輸出:3,503.4億ドル」、「輸入:3,606.4億ドル」で貿易収支は「-103.0億ドル」。通関ベースとはいえ大赤字です。
この赤字は上半期基準で過去最大です。
これまで上半期での最大の赤字は、あの「アジア通貨危機」の1997年。金額は「91億6,000万ドル」です。
上掲のとおり、04~06月は貿易赤字(貿易収支のマイナス)が続いていますが、この3カ月連続赤字は、2008年の「韓国通貨危機」以来のこと。
というわけで、韓国メディアも危機感を募らせています。
そうそう、上半期で輸出金額は「3,503.4億ドル」ですから、単純に2倍にすると7,000億ドルを超えます。
先にご紹介したとおり、2022年は韓国の輸出は確かに「7,000億ドルを超える勢い」です。
しかし、それがなんだというのでしょうか。このように史上最大の赤字を出しているというのに。
※ただし、あくまでも通関ベースである点にご注意ください。
(吉田ハンチング@dcp)