やっぱりこうなるかね、という話です。
韓国が日本の教科書に文句を言っている件ですが、次期大統領である尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが早くも日和りました。
時系列的には以下のようになっていました。
03月29日、日本の文部科学省委が04月に導入される新たな学習指導要領による教科書を公表。
03月30日、日本の教科書について尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領側が「まだ当選者の立場なので個別的外交事案に立場を表明するのは不適切だ」と公表。
⇒日本に対する批判を避ける。
03月30日、韓国外交部が日本の検定教科書について文句をつけるプレスリリースを出す。
尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領側は明らかに日本批判を避けたのですが、韓国内では「なぜ日本を非難しないのか」という声が上がりました。
特に、政権から追われる『共に民主党』の議員からはここぞとばかりに尹錫悦(ユン・ソギョル)政権側の姿勢を非難。
これに対応するため、2022年03月31日、尹錫悦(ユン・ソギョル)次期政権の報道官は「歴史歪曲にしっかり(あるいは断固として)対応する」という書面ブリーフィングを行いました。
韓国メディア『ハンギョレ新聞』の記事から一部を以下に引用します。
尹錫悦大統領当選者側は日本の教科書歴史歪曲と関連して「これからどんな歴史歪曲にもしっかり対処するだろう」と31日明らかにした。
キム・ウネ当選者スポークスマンはこの日、書面ブリーフィングを通じて「尹当選者は候補時代から日韓両国の発展的関係を希望するが、このためには正しい歴史認識と過去に対する徹底した反省が前提でなければならないことを明らかにしてきた」と強調した。
左派系の『ハンギョレ新聞』ですから鬼の首では取ったかのように報じています。
上掲のとおり、尹新政権側は「教科書問題に対してしっかり対処する」「日韓関係を好転させるには正しい歴史認識と過去に対する徹底した反省が前提」と表明しました。
左派からの攻撃に対して早くも日和りました。
ただし、以下のように政争の具にするなという意見も表明しています。
(前略)
キム報道官は「この問題についてこれまで言及を控えたのは、現在は日本の外交パートナーは現政府であり、当選者の身分としても政府が対応する個別外交事案は尊重することが道義だと判断したから」とし
「民主党はまだ執権与党ではないか。外交問題を国内政治に利用しようとする言及は残念だ」と反論した。
続いて「国益を優先する姿勢で協力を丁寧に求める」と付け加えた。
「外交問題を国内政治に利用するな」というのは本音でしょう。
今回の問題が、日本をダシにした「政権から追われる『共に民主党』の逆襲」であることを正確に突いています。
なにせ監獄行きがかかっていますので、政府与党も必死です。
ただし「まだ現政権が日本政府の外交パートナーではないか」というのは逃げの発言と見られます。尹次期政権に文句を言わずに、日本政府に言えというわけですから。
――というわけで、まだ始まってもいないのに次期政権の発言が揺らいできました。
(吉田ハンチング@dcp)