2023年06月09日、待っていた国際収支統計が『韓国銀行』から公表されました。
しばしば韓国では「残酷な四月」と呼ばれますが、そのとおり経常収支は再び赤字転落しました。以下をご覧ください。
↑黄色でフォーカスしているのが2023年04月の経常収支で「-7億9,260万ドル」2023年04月
貿易収支:5億8,100万ドル
サービス収支:-12億520万ドル
第1次所得収支:-9,240万ドル
第2次所得収支:-7,600万ドル
経常収支(上記4つの合計):-7億9,260万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
貿易収支はプラスながら「5億8,100万ドル」とかろうじて黒字のレベル。サービス収支がマイナスで、最近の頼みの綱の第1次所得収支も赤転していますので、経常収支は赤字に再転落です。
ただし、うまくまとめたという印象は拭えません。
通関ベースの04月の貿易収支は「約-22.7億ドル」でしたので、先にご紹介したとおり、黒転しました。これは読みどおりです。
しかし、サービス収支の赤字が-12億520万ドルで済んでいるのは意外な点です(03月は「-19億440万ドル」)。
また、「残酷な四月」といわれる所以の第1次所得収支のマイナスが「-9,240万ドル」で済んでいます。2022年04月は「-30億2,000万ドル」もあったのに、です。
第2次所得収支の赤字もたったの「-7,600万ドル」です。前月までと比較して桁が一つ少ないのです。
コンパクトに、よりコンパクトにまとめたような結果です。
ともあれ、2023年の韓国の経常収支は以下のような推移になります。
01~04月で3カ月は経常収支は赤字という、よろしくない結果です。ただ、「残酷な四月」にしては被害は最小だったといえるかもしれません。鉛筆をなめたのでなければ。
必ず、「日本も貿易赤字だー」など韓国メディアが報道しますので(それどころか企画財政部のプレスリリースにも登場する)、念のために以下に2023年(令和05年)04月の日本の経常収支のデータを貼ります。
2023年04月
貿易収支:-1,131億円
サービス収支:-6,465億円
第1次所得収支:3兆663億円
第2次所得収支:-4,116億円
経常収支(上記4つの合計):1兆8,951億円
上掲のとおり、日本の場合は、韓国とは真逆に第1次所得収支が「3兆663億円」もあって「ご機嫌な四月」です。
他の赤字を一気にひっくり返して、経常収支は「1兆8,951億円」のプラス。
韓国:約-7.9億ドル
日本:1兆8,951億円(約136.1億ドル※)
ですから、「日本も貿易赤字だー」などといくら叫んでも意味がありません。
※1ドル=139.24円で換算
(吉田ハンチング@dcp)