韓国は対中国貿易でもうからなくなっています。2023年は修好31年目にして初の対中国貿易赤字となると見られているのです。
以下は2017年から2023年03月までの対中国貿易収支の推移です。
対中国の貿易は、2018年の「556億ドルの黒字」から右肩下がりで、2023年はまだ第1四半期が終わった時点だというのに、すでに「78億5,000万ドルの赤字」に陥っています。
なぜこのようになってたのかというと、中国が(半導体以外は)韓国製品の技術水準に追いつき、韓国製の自動車、スマホなどを購入しなくなったこと、また韓国が中国が輸出する資源・中間財に依存度を高めたことが原因です。
つまり、中国への輸出は減少し、中国からの輸入が増加することで、対中国貿易での黒字が赤転しました。この傾向は止めようがないので、対中国貿易での赤字はこれからも続くと見られるわけです。
韓国内のEV市場を狙う中国!
さらに指摘できるのは、中国が韓国市場の攻略に本腰を上げているという点です。
例えば、電気自動車。韓国は「EV強国」なんて誇っていますが、そんなことを言ってる場合なのかという事態が進行中です。
まずは韓国内の商用EVに焦点を絞って市場を侵食しようとしているのです。
↑中国『BYD』のEVトラック(1t車)「T4K」の韓国発売を報じる『聯合ニュース』/YouTube『YTN』チャンネル
上掲は2023年04月06日に行われた「T4K」の発表会の模様です。
韓国政府は中国製の電気自動車の輸入を牽制するために、補助金を給付する条件(走行性能・燃費・アフターサービスなど)を定めているのですが、この「T4K」はその全てをクリアするものとなっています。
つまり、補助金給付される条件を100%クリアできる韓国市場投入モデルを用意したのです。
↑『BYD』の「T4K」は4,669万ウォンで、各種補助金を入れれば「1,900万ウォン台」で購入可能――としています。ざっくり1/10で日本円換算してみても、約470万円のものが190万円台で買えることになります
韓国の環境部によれば、EVに給付される最大1,200万ウォンとしています。満額もらうための条件は、
2.直営・協力ASセンターが運営されていること
3.整備履歴を電子的に管理するシステムがあること
etc
ですが、韓国政府は「2」の要件によって、中国製EVトラックを制限できると考えていたのですが、どっこい『BYD』は、韓国企業『GSグローバル』『カカオモビリティ』の協力を取り付けてクリアしてきたのです。
結果、『BYD』の「T4K」は、100%補助金を勝ち取れるものとなっています※。中国人は商機を逃しませんね。
※小商工人対象の追加支援とした「補助金30%」も『BYD』は『現代自動車』『起亜自動車』製のEVトラックと同様に対象となります。
また、『BYD』だけではなく、中国企業『JMC』『奇瑞自動車』が05月に韓国市場にEVを投入する予定です。このまま中国産のEVが韓国市場を席巻すると、ますます中国の対韓国貿易が黒字に傾くのですが、韓国は大丈夫なのでしょうか。
2023年は中国産EVが韓国市場を食い荒らす年になるかもしれないのです。
(吉田ハンチング@dcp)