中国『恒大集団』はすでにデフォルト、という話。

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中国『恒大集団』のデフォルト問題です。多くのメディアで『恒大集団』は同社の債券に対する利払いを行ったのでかろうじてデフォルトを免れた、という報道が出ています。

しかし「『恒大集団』はすでにデフォルトしている」と主張する報道もあるのです。これは、ドイツのリサーチ会社『DMSA』のプレスリリースを基にしています。

『DMSA』( Deutsche MarktScreening Agentur GmbH)は、自身を「データスクリーニング会社」としており、「企業、製品、サービスに関する市場関連情報を収集し、評価する独立したデータサービス」と述べています(「 」内は同社サイトより引用)。

2021年11月10日(水)、『DMSA』は「『恒大集団』は正式に債務不履行に陥った-DMSAは『恒大集団』に対する破産手続きを準備している-」というプレスリリースを出しています(以下)。

<<以下 和訳>>
中国『恒大集団』は本日、国際的な投資家に対する利払いを再び不履行とした。

『DMSA』自身もこの債券に投資しており、本日の猶予期間終了までに利払いを受けていません。

現在、『DMSA』は『恒大集団』に対する破産手続きの準備を進めており、全ての債券投資家に参加を呼びかけています。

中国第2位の不動産デベロッパーである中国『恒大集団』は、09月に2つの社債の利払いを不履行にし、10月に入って30日間の猶予期間が終了しました。

しかし、猶予期間が終了する直前に、利払いを行ったといううわさが流れ、世間を欺くことになりました。海外メディアもそのうわさを鵜呑みにしました。

ただ、『DMSA』(Deutsche Marktscreening Agentur:ドイツ市場審査機関)だけは、その時点ですでにデフォルト(債務不履行)を認識しており、世界で最も負債の多い企業である『恒大集団』の倒産が、最終的には「グレート・リセット」、すなわち世界の金融システムの最終的な崩壊につながる可能性があることを調査で証明しています。

(記者の皆様へ。2021年10月25日および10月29日付の『DMSA』プレスリリース、および『DMSA』スタディ「The Great Reset – Evergrande and the Final Meltdown of the Global Financial System」を参照。全てDMSAホームページ(www.dmsa-agentur.de)から入手可能)

『DMSA』のシニアアナリストであるマルコ・メッツラー博士は、「国際金融市場はこれまでのところ、不安定な巨大企業である『恒大集団』を取り巻く金融の混乱に対して、驚くべき自信を持って対応してきたが、昨日、アメリカ合衆国の中央銀行である『FRB』が我々の見解を裏付けた」と述べています。

「(『FRB』の:筆者注)最新の安定性報告書は『恒大集団』の破綻が世界の金融システムに及ぼす危険性を明確に指摘している」とも。

『DMSA』は、今日(2021年11月10日)で猶予期間が終了する『恒大集団』の債券に自ら投資しており、債権者として『恒大集団』に対して破産申請を行います。

『恒大集団』は、今日までに3つの社債の利息として合計1億4,813万ドルを支払わなければなりませんでした。「しかし、これまでのところ、私たちは社債の利息を受け取っていません」とメッツラーは説明します。

また「本日、香港の銀行が閉まっているので、これらの社債がデフォルト(債務不履行)になったのは確実だ」とも述べています(編集部への注釈:これまでにデフォルトとなった債券の正確な詳細は、本プレスリリースの付記されています)。

『恒大集団』にとって特に問題なのは、発行済みの23の社債全てにクロスデフォルト条項がついていることです。

『DMSA』のシニアアナリストであるメッツラーは「これらの債券のうち1つでもデフォルトに陥ると、23の発行済み債券すべてが自動的に『デフォルト』状態になることを意味する」としています。

しかし、これで自動的に『恒大集団』が倒産するわけではありません。

破産を決定するには、裁判所に破産申請書を提出する必要があります。これは、会社自身が行うことも、会社の債権者の1人または複数が行うこともできます。

そして、これこそが現在計画されていることなのです。

メッツラーは「『DMSAは『恒大集団』に対する破産手続きを準備しています。この件に関しては、すでに他の投資家と協議を行っています。他の投資家が我々のアクショングループに参加してくれればうれしいですね」としました。

『DMSA』の専門家にとっては、「裁判所が破産手続きを開始すると同時に『恒大集団』も公式に破産することになり、それはほんの数日の問題である」のは明らかです。
(以下略)
<<和訳ここまで>>

⇒参照・引用元:『DMSA』公式サイト「CHINA EVERGRANDE Group Evergrande officially defaulted – DMSA is preparing bankruptcy proceedings against Evergrande Group」
赤アンダーライン、強調文字は筆者による

自ら『恒大集団』の債券に投資しており、利払い償還の猶予期間になったのに利払いを受けていない、そのために裁判所に『恒大集団』の破産を申し立てる――という内容です。

『DSMA』の主張が正しいのであれば、『恒大集団』はすでにデフォルト(債務不履行)で、これから『DSMA』が裁判所に申し立て、また同社の申し立てに合流する債権者があって、受け入れられれば公的にデフォルト認可です。

『DMSA』からは、以降に「利払いを受けた」というプレスリリースは出ておりません。さて、『恒大集団』は公式にデフォルトしたと認められるでしょうか。土日が終わり、月曜日以降に何かが起こるでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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