中国では「もう何も怖くない」という無敵の人が、社会に対する復讐のような無差別殺傷事件を起こすようになっています。
Money1でもご紹介しましたが、2024年11月11日、中国広東省珠海市の香洲区体育センターで史上最悪の死傷者数を出す「無敵の人事件」が発生しました。
樊維秋(62歳)がSUV車を運転し、意図的に運動をしていた群衆に突入し、35人が死亡、43人が負傷しました。樊維秋は事件1週間前に犯行に使用するSUVを購入し、事件前日に受け取ったばかりでした。最初から「やる気」でクルマを購入したのです。
この35人死亡、45人負傷という人的被害は、2024年中国で発生した無差別殺傷事件の中で最も死者数が多いものとなりました。
海外からも大きく報じられ、日本のオールドメディアでも注目されましたが――「無敵の人」による社会不安が醸成されており、日本人は決して中国に行くべきではない――とは報じられませんでした。
中国『CCTV』は、よると、珠海市中級人民法院は2024年12月27日に公開裁判を行い、樊維秋を公共の安全を危険にさらした罪(危険方法危害公共安全罪)で有罪とし、死刑および政治的権利の終身剥奪を宣告しました。
裁判では、樊維秋が婚姻関係の破綻や生活の不満、さらに離婚後の財産分割に不満を抱いており、その怒りを発散させるために車で群衆に突入することを決意した――と認定されました。
裁判所は、以下の理由から厳罰が必要だと判断しました。
犯罪動機が極めて卑劣であること
犯罪の性質が非常に悪質であること
犯罪手段が特に残虐であること
犯罪の結果が極めて深刻で、社会に大きな害を与えたこと
この裁判結果には、中国共産党上層部からの圧力も影響しています。特に欧米メディアからも大きな注目を浴びたため、早急に片付ける必要があったのです。もちろん、国内に対する見せしめの意味もあります。
しかしながら、「もう何も怖くない」から「無敵の人」なのであって、今さら「死刑になるから無差別殺傷事件を起こさないようにしよう」とはならないでしょう。
結局のところ原因は、中国人を明日をも知れぬ貧困に追い込んだ中国共産党のせいです。それ以外のなにものでもありません。
事件発生からわずか2カ月弱で判決が出ているのですから、即断即決でまともな審議が行われたとは到底考えられません。死刑判決が出るの「速っ!」――です。
(吉田ハンチング@dcp)