韓国メディア『朝鮮日報』に「部屋の隅から見る東京通信」というコーナーがあり、毎週水曜日に更新されています。
国内(韓国内:引用者注)の報道機関は、最も近い隣国である日本の話題を主に政治や経済、大きな社会問題に限定して伝える場合が多いです。
しかし、日本語を専攻し、日本に交換留学をし、日本料理を好み、日本映画やアニメを楽しむ記者が、韓国国内ではなかなか知ることができない、現在日本で本当に「ホット」な話題をお届けします。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「部屋の隅から見る東京通信」
――と自己紹介しています。つまり日本文化について精通した記者が、韓国民に対して日本の事情について紹介するよ――というコーナーなわけです。
2024年ももう終わりますので、この1年間を振り返った記事を出しています。
(前略)
今年日本で起こった大きなニュースを総ざらいしてみることにしました。これは、部屋の隅から勝手に選んだ今年の日本ニューストップ10です。
過去のレターで取り上げた話題もあれば、まだ触れていなかった話題も含まれています。
今年、日本の人々はどんなことで笑い、涙を流したのでしょうか。
(後略)
としているのですが、選んだニュースというのが……以下です。小見出しを全部引用してみます。
◇能登半島を襲った悪夢のような大地震
◇航空機衝突で命を落とした海上保安庁職員たち
◇信頼していた親友に裏切られた大谷
◇110年ぶりの偉業を達成した力士
◇ドラゴンボールの“星”が消える
(鳥山明先生が亡くなったことをこう表現している)◇1万円札の肖像が「朝鮮侵略の主役」?
◇4度目の挑戦で奇跡、自民党の新総裁・石破
◇「石破パワー」はなかった、総選挙で惨敗した自民党
◇日本の被爆者団体がノーベル平和賞を受賞
◇労働者を縛る「103万円の壁」はどうなるのか
MLBの大谷翔平選手を取り上げるにしても「親友に裏切られた」という見出しです。それよりも前人未到の「50/50を達成した」ことに日本中が湧いたのです。また、新札が発行されたことについても「朝鮮侵略の主役」です。日本人はそんなこと思ってもみないでしょう。
つまり、この記事は「日本の人々はどんなことで笑い、涙を流したのでしょうか」ではなく、「日本のどんな事件で、韓国人が笑い、涙を流したのか」を伝えているわけです。
こういうのを「おためごかし」といいます。
(吉田ハンチング@dcp)