韓国で今見えているのは「民主主義」などではありません。
李氏朝鮮時代から続く伝統の、ただの「政争」です。
韓国最大野党『共に民主党』は、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の非常戒厳宣布を「内乱罪」と決めつけ(迂闊にも韓国検察も発生直後にこの主張に賛同してしまいました)、「尹を内乱罪で裁く」とアピールしてきました。
しかし、すでに憲法裁判所で始まっている審議過程において、弾劾訴追の理由に挙げた「内乱罪」について、国会側(= 『共に民主党』)が引っ込めたのです。
韓国メディア『朝鮮日報』の報道から以下に引きます。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の弾劾裁判において、国会側が「内乱罪容疑」を弾劾訴追理由から除外すると発表した。
当初、野党主導で国会を通過した弾劾訴追案には、「内乱罪容疑」が弾劾理由の第一項目として明記されていたが、弾劾裁判の段階で国会側がこれを撤回した形だ。
(中略)
憲法裁判所は03日、尹大統領の弾劾裁判第2回弁論準備期日を進行した。
この日、尹大統領側と国会側は弾劾理由に「内乱罪容疑」を含めるべきかを巡り議論を交わした。
鄭亨植(チョン・ヒョンシク)裁判官(判事)が国会側に「非常戒厳に関連する違反行為が刑法上の内乱罪に該当するという主張を撤回するという趣旨か」と質問すると、国会側は「事実上、撤回するということだ」と答えた。
弾劾裁判は憲法違反を扱う裁判であるため、内乱罪などの刑法違反については直接取り扱わず、憲法違反として包括的に議論するという趣旨だ。
当初、国会側は尹大統領の弾劾訴追理由を「刑法違反(内乱罪など)」と「戒厳令発布の要件違反および立法権の侵害(憲法違反)」に区分していた。
国会側代理人の金鎮漢(キム·ジンハン)弁護士は「内乱犯罪の事実は依然として存在しており、刑事裁判で有罪か無罪かが判断されるだろう。ただし、刑事訴訟のように内乱罪を扱えば弾劾裁判が長期化するため、大統領の違法・違憲行為を内乱ではなく憲法違反として構成する」と説明した。
(後略)
この無節操ぶりはいかがでしょうか。国会側などといっていますが、これは『共に民主党』です。このクズの群れは、内乱罪について争うと裁判に時間が掛かるので、いけしゃあしゃあと「それは外す」と言ってのけました。
つまり、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領について「内乱罪だ」などと主張し、それを第一の理由に挙げて、弾劾訴追案を通したくせに、裁判が早く終了するなら、そんなものは主たる争点にしない――というのです。
これが左派・進歩系クズの群れの主張です。
このクズどもは「理念」であるとか、「イデオロギー」、「法的な根拠」といったものはどうでもいいのです。やっているのは「ただの政争」であって――、
「あいつが大統領から引きずり降ろされればいい」
「オレたちにたくさん利権をくれる李在明(イ・ジェミョン)を早く大統領にしよう」
――しかないのです。
これが「韓国の素晴らしい民主主義」「K-民主主義」の正体です。「浅ましい」以外にどんな言葉で形容できるでしょうか。
この主張に対して、弁護側からは、
「国会は内乱罪の成立を根拠に弾劾裁判を進めてきた。しかし、刑法上の内乱罪が成立しないのであれば、弾劾訴追自体が誤りだ」
「これまで内乱罪を主張してきた国会が、裁判が始まるとそれを撤回するのは、これまで国民を欺いてきたことを自ら認めるも同然だ」
「理解不能な態度であり、代理人が一方的に決めるのではなく、国会の議決を(再度:引用者注)経るべきだ」
――と、当然の声が上がっています。
『国民の力』の法律諮問委員長である朱振宇(チュ·ジンウ)議員もFacebookで、
「裁判所の勧めで弾劾理由から『内乱罪』を撤回するとは、こんな荒唐無稽な進行があるのか」
「内乱罪を除外し、残りだけで早急に弾劾することで、李在明(イ・ジェミョン)代表の司法リスクを回避しようとしている。明白な策謀だ」
「核心的な弾劾理由が撤回されたのであれば、国会の新たな決議が必要だという憲法上の指摘が避けられない」
――と指摘しました。
この朱振宇(チュ·ジンウ)議員は、2022年05月に尹錫悦(ユン・ソギョル)政権発足時に大統領室に入った逸材です(司法試験第47期)。大統領の法律秘書官になりましが、これは大抜擢でした。後に政治家に転身して現在に至ります。名前だけでも覚えて帰ってください。
朱議員のことはともかく、この内乱罪は争点にしないという『共に民主党』の主張に対して、韓国の皆さんは怒りを感じないのでしょうか。
また「憲法違反」として裁判を戦うというのもおかしな話です。
なぜなら、大統領の戒厳宣布は「憲法に保証された大統領の専権事項」であって、そのこと自体は憲法違反でもなんでもないからです。
(吉田ハンチング@dcp)