韓国の証券取引所で世にもアホらしい事態が起こっております。
いったん上場廃止を決定して、すでに実行されたにもかかわらず、今度は一転。「上場廃止はキャンセル!」となったのです。
『Gamma Nu Inc』の株価は墜落した!
アンテナの製造を行う『Gamma Nu Inc』という韓国企業がありまして。
company overviewによれば同社は以下のような企業です。
ガンマニューは1997年に設立され、アンテナの製造に特化した会社です。インビルディングアンテナ、スタジアム用アンテナ、トライセクターパイプアンテナ、基地局用アンテナ、屋外DASリンクアンテナ、小型セルアンテナを製造しています。
同社の株式は「KOSDAQ」に上場していたのですが、2018年03月に株式の上場廃止が決定されます。上場廃止が決定されると5取引日(2019年09月28日~)、株式を整理するための売買時間が与えられるのですが、『Gamma Nu』の株価は文字通り墜落しました。
以下がどれぐらい落下したのかのチャートです(チャートは『TradingView』より引用)。
「6,170ウォン」だった株価が「408ウォン」まで下落しています(笑)。
上場廃止じゃなかったヨ
ところが、この上場廃止に異議あり!と上場廃止効力停止の仮処分申請が出されたため、整理売買の期間は1日を残してフリーズされました。さらに、上場廃止は無効だという訴訟が起こされ、これが2020年08月14日に勝訴。なんと18日から株式取引を再開する、となってしまったのです。
まさに「なんだこりゃ(笑)」な事態ですが、
上場廃止になる株式ですから値が墜落するのは当然ですが、問題はこの墜落で処分した投資家がいたことです。ここにきて「上場廃止は撤回」となったので、「処分して損したのはどうしてくれるんだ!」と損を被った投資家が訴訟を起こす構えを見せているのです。
まあ当然といえば当然でしょう。
この件を報じた韓国メディア『毎日経済』の2020年08月15日の記事から以下に引用します。
(前略)
金融投資業界では、史上初の上場廃止取り消し事態に対してどのような暴風があるのか心配な目で見つめている。取引所側の責任が認められるか、その場合どのように賠償すべきかに注目が集まっている。
(後略)
⇒参照・引用元:『毎日経済』「瞬く間に6,000ウォンから4百ウォンに暴落した銘柄、生きる…訴訟に襲われる韓国取引所」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
大変に面白い事態になっておりまして、来る08月18日(火)のKOSDAQに要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)