アメリカ合衆国『GM』と韓国『現代自動車』の電気自動車で火事が発生したのは、韓国『LGエネルギーソリューション』(以前は『LG化学』)製のバッテリーが原因とされています。
『GM』は『LGエネルギーソリューション』が製造したバッテリーに構造的欠陥を発見したために、大規模な、しかも3回目のリコールを発表しました。
本件について『Reuters(ロイター)』に興味深い記事が出ています。2021年08月27日、同紙が報じたところによれば、火災につながるバッテリーの構造的欠陥が生じたのは、『LGエネルギーソリューション』の韓国・中国工場での製造不良が原因と見られる――と報じました。
⇒参照・引用元:『Reuters』「Cells in GM, Hyundai EV battery fires linked to several LG plants」
『LGエネルギーソリューション』の韓国・清北道梧倉の工場で製造されたバッテリーに、陰極タブの破損、折り畳みという製造不良が見つかり、これが火災の原因となったのではないか、と推測しています。
『GM』は最近アリゾナ州チャンドラーで発生した火災でも、事故車からバッテリーの欠陥を発見したとしています。この言及されている製造不良は、先に『現代自動車』製電気自動車「コナ・エレクトリック」で見つかり、火事の原因とされたものと同様の内容です(Money1では以下の記事でご紹介しました)。
後退する『LGエネルギーソリューション』のIPO
『GM』としても、もう同車種3回目のリコールですから、このリコール後も火事が起こるようですと洒落になりません。『LGエネルギーソリューション』も同じで、これ以上評判が落ちるようなことがあれば、IPO(新規株式公開)をかけるどころではなくなります。
実際、2021年08月30日、韓国メディアどころか『Reuters(ロイター)』にまで、2021年中に予定していた『LGエネルギーソリューション』のIPOですが、「10月までに判断する」という記事がでました。
『GM』と『LGエネルギーソリューション』の話し合いで、リコール費用の分担がどれほどになるかが現時点では分かりません。しかし、『LGエネルギーソリューション』また『LG化学』は事業の拡大に資金が必要です。IPOによる資金調達は必須です。
現時点でIPOを強硬しても良い結果となるかどうかは分かりませんので、見送りは当然としても、今回のリコール問題にメドがつくまではIPOは難しいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)