韓国「内需が全然ダメ」一人当たり所得は日本を上回り4万ドル目前――それでも景気はどん底

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まず尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の発言をご紹介します。

2024年11月22日、韓国で「第56回 国家朝食祈祷会」が開催され、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が挨拶を行いました。

以下に発言の一部を引きます。

(前略)
少し前、私は任期の折り返し地点を迎えました。とても厳しい時期ではありましたが、やりがいも感じた期間でした。初めて大統領に就任したとき、多くの困難がありました。

(中略)

今では、健全財政の基調が定着し、物価上昇率も1%台まで安定しました。

輸出が回復し、経済も活力を取り戻しました。

世界的な低成長の流れの中でも、私たちは2%を上回る堅調な成長率を達成しています。

昨年の一人当たり所得は日本を上回り、今や4万ドルが目前に迫っています。

(中略)

政府の前半期には、民間主導、市場中心の基調で経済に活力を注ぎ込む努力をしましたが、後半期には、格差を克服することで、国民全員が未来に希望を抱き、それぞれが国家発展に積極的に参加できるようにしなければなりません。

国民生活を改善し、経済の活力を必ず取り戻して、新しい中産階級時代を切り開きます。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 第20代大統領室』公式サイト「”양극화 타개로 민생과 경제 활력 살려 새로운 중산층 시대 열겠습니다.”」

一人当たり所得は日本を上回り、今や4万ドルが目前に迫っています――は余計な惹句だと思われますが、このとおり尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「輸出が回復し、経済も活力を取り戻しました」としています。

しかし、「経済も活力を取り戻しました」を実感している韓国民はほとんどいないはずです。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の支持率がさっぱり上がらないのは、奥さんの金建希(キム・ゴンヒ)さんの特恵疑惑などが理由ではありません。ハッキリ言えば、韓国経済がいまだに不景気だからです。

その上、韓国経済の先行きがさらに不透明になってきています。

韓国の不景気は、内需がさっぱり盛り上がらない点に表れています。以下をご覧ください。


データ出典:『韓国銀行』

韓国の内需に関する重要な指標「小売販売」と「建設投資」の対前期比増減の推移ですが、マイナスに落ち込んで推移しています。

小売販売は2024年の第1四半期から3四半期連続でマイナス。建設投資増加率は第2四半期に赤転して、第3四半期には下落率を拡大。

輸出が拡大したといっていますが、それが内需の拡大には寄与していないことを示しています。つまり、輸出が拡大しても景気が良くなったとは全然いえないのです。

まあ尹錫悦(ユン・ソギョル)さんでなくても神に祈りたくはなるでしょう。

一人当たり所得は日本を上回り4万ドル目前」と言ったところで、韓国民が景気の良さを実感できないのであれば――それはダメですよ。

朝食祈祷会回とは?
政治家、宗教指導者、ビジネスリーダー、市民社会の代表などが集まり、国家の平和と繁栄、団結、そして指導者たちへの英知を神に祈るための公式行事です。

これは主にキリスト教の信仰に基づいて行われますが、異なる宗教や信仰の人々も参加することがあるイベントです。

韓国では、1966年に始まり、現在は毎年開催されています。国家の発展と国民の幸福のために祈る場として、多くの国会議員や政府高官、大統領などが出席することが一般的です。また、これを通じて宗教と政治の調和や国民の連帯感を強調する意味もあります。

この行事は、アメリカ合衆国のNational Prayer Breakfast(全国祈祷朝食会)に触発されたもので、同様の形式で実施されています。合衆国では1953年に始まり、大統領や政府要人が参加する伝統的なイベントとして知られています。

(吉田ハンチング@dcp)

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