短信です。誠に申し訳ありません。
韓国政府の2022年度の予算は「607兆7,000億ウォン」(約58.3兆円)に膨らませて可決されました。
韓国政府の本予算が補正前で600兆ウォンを超えたのは史上初のことです。これによって、政府財政がどうなるのかの予測があります。
まず、2021年の予算がどうだったのかを見てみましょう。以下です。
収入:482.6兆ウォン(約46.3兆円)
支出:558.0兆ウォン(約53.6兆円)
収支:-75.4兆ウォン(約-7.2兆円)
コロナ禍からの経済回復を目指して、支出を拡大する予算を組んだのですが、そ
れでも支出の規模は「558.0兆ウォン」でした。
しかし、さらにお金をまくために2回の補正予算を組みました。結果、以下のようになりました。
収入:514.3兆ウォン(約49.4兆円)
支出:604.9兆ウォン(約58.1兆円)
収支:-90.3兆ウォン(約-8.7兆円)
2回の補正予算を組んだため、結局支出は「604.9兆ウォン」まで膨らみました。Money1でもご紹介しましたが、幸いにして税収が伸びたため、収支は「-90.3兆ウォン」でなんとかなりました。
もちろん「-90.3兆ウォン」は大変な赤字です。しかし、もし税収が予想よりも大きく伸びるという幸運がなければ、第2次補正予算は組めなかったはずです。
で、2022年は2回の補正予算で膨らませたよりも大きな「607.7兆ウォン」の支出を見込んでいるのです。
収入:553.6兆ウォン(約53.2兆円)
支出:607.7兆ウォン(約58.3兆円)
収支:-51.1兆ウォン(約-4.9兆円)
税収は2021年よりも「4.7兆ウォン」増えると見込んでいるため、赤字は「-51.1兆ウォン」で済むと見ています。足りない分は赤字国債の発行などで補います。
注目はやはり、政府負債の増加です。信用格付けにも大きな影響を与えますので、韓国にとっては重要なポイントです。
2021年(第2次補正予算適用)と2022年で、政府負債の金額・政府負債対GDP比率を比較すると以下のようになります(予測)。
2021年:965.3兆ウォン(約92.7兆円)
(対GDP期比:47.3%)
2022年:1,064.4兆ウォン(約102.2兆円)
(対GDP期比:50.0%)
もはや「1,000兆ウォン」を超えるとか超えないとかのレベルではありません。また、世界的格付け会社『Fitch(フィッチ)』の「GDP比国家負債比率が2023年に46%まで増加する場合、中期的な国家信用格付けに下方圧力として作用する」という警告を守れるべくもありません。
では、政府負債を減らすことはできるのでしょうか。恐らくできないでしょう。公的機関の無駄は一度拡大すると、縮小するのが困難という硬直性を持っているからです。さらに、文在寅政権では公務員を増やすという最も面倒な人件費において負担を拡大させました。
というわけで、韓国の格付けは下がること必至ですし、政府負債は次期政権以降も拡大を続けるものと考えられます。
(吉田ハンチング@dcp)