例の「韓国は先進国ではない。『MSCI指数』で先進国に分類されてから言いなさい」という件です。
2021年12月03日、韓国「金融委員会」の高承範(コ・スンボム)委員長が、オンラインの記者懇談会で「空売りの全面再開が「MSCI先進国指数」の編入に必要だ」と述べたとのこと。
……「いや、だからぁ」という話です。
韓国は先進国にあるまじき措置を取った
コロナ禍に襲われた2020年03月15日、株式市場が暴落に見舞われていたため、韓国政府は「明日から空売りは全面禁止」という無茶な措置を取りました。
韓国政府は、この空売り全面禁止措置は「2020年03月16日から2021年05月02日まで」約1年2カ月も継続しました。
しかも、2021年05月03日に空売りを解禁したのは、一部の銘柄のみです。
呆れることにいまだに空売りの全面再開を行っていません。
これもいわばポピュリズム政治の成せる技です。
韓国の個人投資家は「空売りのために株価が上がらず、我々は損を被っている」とおかしな主張する人が多く(金融委員会や政治家を罵倒して反対する)、そのため再開に踏み切れないのです。
これほど長い時間、空売り全面禁止を継続したのは、韓国だけです。
韓国は自国のことを先進国であると誇りますが、証券市場でこのようなことをする国が先進国と認められるわけはありません。
何度もご紹介しているとおり、『MSCI』は韓国市場を新興国市場から動かすつもりはありません。観察対象国にもなっておりません。ですから、少なくとも空売りを全面再開したところで、すぐに韓国が先進国に分類されるはずもありません。
目的と手段が逆転している!
そもそも、手段と目的が逆です。
金融委員長ともあろう人間が「先進国に分類されるために空売りを全面再開すべき」などと述べています。
逆です。
空売りには、市場の流動性を拡大する機能を認められています。そのため、先進国市場では空売りが売買手法をして使えるのです。
韓国株式市場の流動性を拡大するために空売りを全面再開しよう ⇒ その結果として先進国市場として認められる――これがスジのはずです。
明らかに目的と手段が逆転しています。
もちろん、空売りを全面再開しただけで韓国市場が先進国市場と認められることはありません。『MSCI』は他にも問題を指摘しているからです。
これについての詳細は過去の記事を参照いただければ幸いですが……韓国というのは「本当に先進国になりたいのだなぁ」とよく分かる話です。
(吉田ハンチング@dcp)